EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

アール・ヌーヴォー建築

Art Nouveau architecture
年代
1890 — 1910
地域
ヨーロッパを中心に欧米各地
時代
新古典・歴史主義

アール・ヌーヴォー(Art Nouveau、「新しい芸術」)は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ各地で花開いた装飾芸術・建築の様式である。過去の様式を引き写す歴史主義への反発から、過去に範を求めず、自然——とりわけ植物の蔓や花、茎、昆虫の翅、女性の長い髪——から引いた、うねる曲線の装飾を生み出した。

最も特徴的なのが、鞭のようにしなる非対称の曲線(ホイップラッシュ曲線)である。鉄やガラスといった工業の素材を、組積造を隠すための装飾ではなく、むしろ有機的な曲線の造形そのものへと用いた点に、逆説的な新しさがあった。ブリュッセルのヴィクトール・オルタが、その建築的な出発点とされる。手すりや窓枠、ステンドグラス、モザイク、家具、照明にいたるまで同じ曲線が貫き、建物の内外が一つの有機的な作品としてまとめられた。

その精神は建築にとどまらず、ガラス工芸やポスター、宝飾、書物の装丁にまで及び、生活全体を美で包む総合芸術が目指された。各地で異なる名で呼ばれたのも特徴で、フランス・ベルギーではアール・ヌーヴォー、ドイツではユーゲントシュティール、オーストリアではゼツェッシオン、スペイン・カタルーニャではモデルニスモと称された。地域ごとに性格を変えながら世紀の変わり目の数十年を彩り、やがて装飾を全否定するモダニズムの登場とともに急速に退いていったが、生活と芸術を一体にとらえるその理想は、後世のデザインに長く生き続けた。

アール・ヌーヴォー建築
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
本様式
アール・ヌーヴォー建築
子様式
ナショナル・ロマンティック様式