アメリカ独立宣言と合衆国憲法が審議・採択されたフィラデルフィアの公共建築。1732年に着工し1753年に完成した植民地時代のジョージアン様式で、1979年に世界遺産に登録された。
§1 — 概要概要
独立記念館(Independence Hall)は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州フィラデルフィアに立つ歴史的な公共建築である。もとはペンシルベニア植民地の議事堂(ステート・ハウス)として建てられ、1776年のアメリカ独立宣言と1787年の合衆国憲法が、いずれもこの建物で審議・採択された。合衆国建国の象徴として、1979年に世界遺産に登録されている。
歴史
建設は植民地議会の委託により1732年に始まり、資金の都合で断続的に進められて1753年に完成した。設計は法律家アンドリュー・ハミルトンと棟梁エドマンド・ウーリーが担い、施工はウーリーが指揮した。第二回大陸会議は1775年から1781年までここで開かれ、独立宣言が採択された。木造の塔屋は老朽化のため1781年にいったん撤去され、1828年に建築家ウィリアム・ストリックランドがより精緻な尖塔を新たに設計して、現在の象徴的な姿が整えられた。
建築的特徴
赤煉瓦の外壁に石材の縁取りを添えた、左右対称のアメリカ式ジョージアン様式を代表する建物である。中央棟に鐘楼と尖塔を載せ、アーチ状の連絡廊(ハイフン)を介して両翼の小棟へとつながる。古典的な比例と簡潔な装飾、ペディメントやクーポラといった古典建築の語彙が、控えめながら端正にまとめられている。尖塔の先端までの高さは約51メートルに及ぶ。
意義・現在
建国の二大文書が生まれた場として、独立記念館は自由と民主主義の記念碑であり続けている。建物はインディペンデンス国立歴史公園の中心を占め、世界各地の立憲思想に影響を与えた歴史的意義から、世界遺産登録の基準を満たすと評価された。年間多数の来訪者を迎える一方、大気汚染や周辺開発による負荷への保全も課題となっている。