インヴァレリー城 Inveraray Castle
スコットランド西部、ファイン湖畔に建つアーガイル公爵家の居城。1746年に着工し、ロジャー・モリスとウィリアム・アダムの設計による、最初期のゴシック・リヴァイヴァル建築のひとつである。
§1 — 概要概要
インヴァレリー城(Inveraray Castle)は、スコットランド西部アーガイル、ファイン湖のほとりに建つカントリーハウスである。18世紀以来、クラン・キャンベルの長たるアーガイル公爵家の居城であり、ストロベリー・ヒル・ハウスと並んで最初期のゴシック・リヴァイヴァル建築のひとつに数えられる。
歴史
1743年、のちに第3代アーガイル公爵となるアーチボルド・キャンベルが所領の改良に着手し、1746年10月に新城の礎石が据えられて、15世紀の旧城に代わる建設が始まった。設計にはイングランドの建築家ロジャー・モリスが当たり、スコットランドの巨匠ウィリアム・アダムが施工を担った。両者の没後も工事は続き、城は1789年頃に完成をみた。1770年代には、城に閑静な環境を与えるため、近隣の村が取り壊されて少し離れた場所に建て替えられている。
建築的特徴
方形の本体の四隅に円塔を備え、切石積みの壁を胸壁で飾る左右対称の構成をとる。壁を覆う切石には緑がかった地元の片岩が用いられ、独特の色調を城に与えている。当初は屋根がすべて平らで胸壁をめぐらせていたが、のちに各翼へ勾配屋根と屋根窓をもつ最上階が加えられ、四隅の円塔には円錐形の屋根が架けられて、現在の城らしい輪郭が整えられた。室内には18世紀後半、第5代公爵のためにロバート・マイルンが手がけた新古典主義の諸室がある。
意義・現在
インヴァレリー城は、左右対称の古典的な構成に中世風の胸壁や塔を組み合わせた、ゴシック・リヴァイヴァル初期の試みを示す建物である。1975年の火災ののち募金によって修復され、現在もアーガイル公爵家の住まいであるとともに一般にも公開され、カテゴリーA指定建造物となっている。