EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
FIG. 01 — Q772988

ハリーファ国際スタジアム Khalifa International Stadium

ملعب خليفة الدولي

カタール、ライヤーンのアスパイア・ゾーンに立つ国立競技場。1976年にガルフカップの主会場として開場し、2006年アジア競技大会と2022年FIFAワールドカップに向けて改修された。二本のアーチから吊る膜屋根と冷房設備を備えた開放型スタジアムである。

FIG. 02 — Location25.2636° N 51.4481° E
カタール ライヤーン自治体 ライヤーン
§1 — 概要

概要

ハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)は、ドーハ中心部から西へ約9キロ、ライヤーンのスポーツ複合地区アスパイア・ゾーンに立つ競技場である。陸上トラックと天然芝のピッチを備えた多目的スタジアムで、開場以来サッカーカタール代表の本拠として使われてきた。名は開場当時の首長ハリーファ・ビン・ハマド・アール=サーニーに由来する。1976年の当初設計と2017年の大改修は、いずれもベイルートに本拠を置く設計事務所ダル・アル・ハンダサ(Dar Al-Handasah)による。

歴史

開場は1976年で、第4回アラビアン・ガルフカップの全22試合がここで行われた。当時の収容は約2万人、西側スタンドの上段だけを簡素な屋根が覆う、ほぼ左右対称の観客席であった。1992年の第11回大会では、開催国カタールがこの競技場で同杯初優勝を果たしている。

最初の大規模な改修は、2006年アジア競技大会の開会式と陸上競技に備えたものである。西側スタンドは上下二層のグランドスタンドに建て替えられて全席が屋根に覆われ、東側には照明を載せた大アーチが架けられた。収容は約4万人となり、競技場は周囲の再開発地区、のちのアスパイア・ゾーンの中核に組み込まれた。2011年のAFCアジアカップでは決勝の会場となり、日本が延長戦の末にオーストラリアを破った。

2010年にカタールがFIFAワールドカップの開催権を得ると、大会会場のうち既存の競技場を改修して用いる唯一の施設に選ばれた。2014年に始まった工事では東側スタンドに新しい層を加え、観客席全体を覆う屋根を新設した。工事は2017年に終わり、同年の首長杯決勝で再開場している。大会の8会場のなかで最初に完成した施設であった。

建築的特徴

現在の外観を決めているのは、東西に架かる高さ約120メートルの二本のアーチと、その間に張られた屋根である。屋根の内周を縁取るリングはケーブルでアーチと結ばれ、張力で吊り支えられる。面材は主にPTFEガラス繊維膜による膜構造で、一部に透明なETFEフィルムを用いる。開閉はせず、芝の育成に必要な日射を通しながら客席に日陰をつくる設計である。

もう一つの特徴は冷房である。約1キロ離れた施設で冷やした水を配管で送り、その冷気を客席の足元やピッチ周囲の吹き出し口から供給して、屋根に覆われない開放型のまま競技面と客席の温度を下げる。照明もLED化され、敷地内には改修と一体で「3-2-1 カタール・オリンピック・スポーツ博物館」が建てられた。

意義・現在

カタールで最も古い主要競技場であり、同国が国際大会を段階的に誘致してきた経緯がこの施設に重なる。改修後も2019年の世界陸上競技選手権、同年のFIFAクラブワールドカップ決勝、2022年ワールドカップの8試合(3位決定戦を含む)を開催した。2017年の改修は、中東・北アフリカ地域の持続可能性評価制度GSASで四つ星を得た最初のスタジアムとなっている。開場時と同じ設計事務所が約40年後に自らの設計を作り替え、屋根とスタンドを継ぎ足して現在の姿に至った。2030年のアジア競技大会でも陸上競技の会場となる予定である。

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LAST EDIT — 2026.09.30
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