EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ハーン・シャティル娯楽センター
© Quarot / CC0
FIG. 01 — Q671484

ハーン・シャティル娯楽センター Khan Shatyr Entertainment Center

カザフスタンの首都アスタナに建つ、テント型の巨大な娯楽・商業施設。ノーマン・フォスター率いるフォスター・アンド・パートナーズの設計で、尖塔を含めて高さ150メートルに達する。

FIG. 02 — Location51.1322° N 71.4039° E
KZ アスタナ アスタナ
§1 — 概要

概要

ハーン・シャティル娯楽センターは、カザフスタンの首都アスタナに建つ、透明なテントの形をした巨大な娯楽・商業施設である。名はカザフ語で「王の天幕」を意味する。イギリスの建築家ノーマン・フォスター率いるフォスター・アンド・パートナーズの設計で、尖塔を含めると高さ150メートルに達し、ネオ・フューチャリズム(新未来派)を代表する建築のひとつとされる。

歴史

計画は2006年12月に当時の大統領ヌルスルタン・ナザルバエフによって公表された。アスタナにおけるフォスターの第二の国家プロジェクトであり、先行して同年に開館したガラスのピラミッド「平和和解宮殿」に続くものであった。構造を支える中央のマストは度重なる遅延の末2008年12月に立ち上げられ、複合施設全体は2010年7月5日、ナザルバエフ大統領の70歳の誕生日に合わせて開業した。

建築的特徴

高さ90メートルのテントが、200メートル×195メートルの楕円形の基壇を覆い、その床面積は14万平方メートルに及ぶ。屋根は透明なETFEのクッションを連ねたもので、中央の尖塔から放射状に張られたケーブルで吊られた膜構造である。透明な素材は陽光を内部へ通し、煙突効果と空調とを組み合わせることで、外気が氷点下35度から35度まで変動するなかでも、内部を15度から30度に保つよう設計された。構造の解析にはイギリスの技術者集団ビューロ・ハッポルドが当たり、ケーブルと膜を組み合わせた軽量な構造を実現した。天幕の下には都市規模の公園、商店街、人工の川や、砂を敷いたビーチリゾートまでもが収められ、フットボール場10面分を超える空間が広がる。

意義・現在

ハーン・シャティルは、ソ連解体後に新首都として急速に建設されたアスタナの野心を象徴する建築である。極寒の大陸性気候のもとに、年間を通じて快適な人工環境を巨大な膜屋根の下に実現した点で、フォスターの環境技術と構造表現を示す作例として知られる。

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LAST EDIT — 2026.06.30
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