ランベス橋 Lambeth Bridge
ロンドン中心部、テムズ川に架かる五径間の鋼アーチ橋。1932年開通。技師ジョージ・ハンフリーズと建築家レジナルド・ブロムフィールドらが設計し、近接する上院の革張り椅子に倣った赤を基調とする。
§1 — 概要概要
ランベス橋は、ロンドン中心部でテムズ川を東西に渡す道路・歩行者併用の橋。現在の橋は1932年に開通した五径間の鋼アーチ橋で、上流のヴォクソール橋と下流のウェストミンスター橋の間に架かる。近接するウェストミンスター宮殿の上院(貴族院)の革張りの長椅子に倣い、全体が赤を基調に塗装されている点が、下院に倣って緑を基調とするウェストミンスター橋と対をなす。
歴史
この地ではかつて「ホースフェリー」と呼ばれる渡し舟がテムズ川の往来を長く担い、ランベス宮殿(カンタベリー大主教の居館)とウェストミンスターを結んでいた。最初の橋は技師ピーター・W・バーロウの設計による吊橋で、1862年に有料橋として開通したが、急な取付道路と構造上の不安から早くに通行が制限された。現在の橋は、第一次世界大戦による遅延を経て1929年に着工し、ドーマン・ロング社の施工によって、1932年7月19日にジョージ5世により開通した。
建築
設計は、ロンドン州議会(LCC)の技師サー・ジョージ・ハンフリーズが構造を、サー・レジナルド・ブロムフィールドとLCC主任建築家G・トップハム・フォレストが意匠を担う、技師主導の協働によった。鋼の浅いアーチを五径間に架け、コーンウォール産花崗岩で被覆した橋脚で支える。橋脚の沈設にはケーソンが用いられた。橋の四隅には石造のオベリスクが立ち、頂部の彫刻は松ぼっくりとされるが、パイナップルに見立てる俗説も根強い。これは、英国で初めてパイナップルを育てたと伝わるランベスの植物学者ジョン・トラデスカントにちなむという。
現在
ランベス橋は、13世紀以来この場所で続いてきた渡河の系譜に連なる橋であり、欄干・橋灯・オベリスク・取付壁を含めて2008年にグレードIIの指定建造物となった。ウェストミンスター橋とともに、国会議事堂に隣接するテムズ河岸の景観を構成している。