レイキャヴィーク西部に立つ、アイスランド唯一のカトリック大聖堂。国家建築家サムエルソンの設計で1929年に成聖された新ゴシックの聖堂で、尖塔をもたない平らな頂部を特徴とする。
§1 — 概要概要
ランダコート教会(Landakotskirkja)は、アイスランドの首都レイキャヴィーク西部に立つカトリックの聖堂である。正式名を「キリスト王のバシリカ(Basilíka Krists konungs)」といい、レイキャヴィーク教区の大聖堂にして、アイスランド唯一のカトリック大聖堂である。礼拝はアイスランド語・ポーランド語・英語で行われる。
歴史
宗教改革ののちアイスランドへ渡った最初のカトリック司祭であるフランス人宣教師たちは、19世紀前半にランダコートの農地を購入してここに定住し、1864年に小さな礼拝堂を建てた。第一次世界大戦後、増えゆく信徒のためにより大きな聖堂が求められ、新ゴシック様式の教会の設計が国家建築家グズヨン・サムエルソン(Guðjón Samúelsson)に委ねられた。1927年に定礎され、数年の工事を経て1929年7月23日に成聖された。当時はアイスランド最大の教会であった。
建築的特徴
鉄筋コンクリートで造られた新ゴシックの聖堂で、尖頭アーチとリブ・ヴォールトが空間を律する。通常の聖堂が掲げる尖塔をもたず、塔の頂部を平らに切り上げた独特の姿をとる。これはアイスランドの山々や玄武岩の崖を思わせるもので、島の地質に着想を求めたサムエルソンの作風をよく示している。比較的簡素で保守的な意匠は、施主であるカトリック共同体の求めに応じたものである。
意義・現在
ルター派が大勢を占めるアイスランドにあって、ランダコート教会はカトリックの拠点として、また同国近代建築の先駆者サムエルソンの代表作の一つとして際立つ。後のハットルグリムス教会へとつながる、地質に根ざした独自の建築表現の出発点を示す作品でもあり、レイキャヴィーク西部の景観を特徴づける記念碑として親しまれている。