EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
アレクサンドリアの大灯台
© Hermann Thiersch(1909年復元図) / Public domain
FIG. 01 — Q43244

アレクサンドリアの大灯台 Lighthouse of Alexandria

古代エジプトのアレクサンドリア、ファロス島に立っていた巨大な灯台。前3世紀、プトレマイオス朝のもとに築かれた。高さは百メートルを超え、夜は火を、昼は鏡で光を放って船を導いた。世界七不思議の一つ。地震により崩れ、今は残らない。

FIG. 02 — Location31.2142° N 29.8850° E
エジプト アレクサンドリア アレクサンドリア
§1 — 概要

概要

アレクサンドリアの大灯台(Lighthouse of Alexandria)は、古代エジプトの港湾都市アレクサンドリアの沖、ファロス島の東端に立っていた灯台である。「ファロス」の名は、のちに多くの言語で「灯台」を意味する語の語源となった。前3世紀、プトレマイオス朝のもとに築かれ、世界七不思議の一つに数えられた。高さは百メートルを超え、長らく世界で最も高い人工の建造物の一つであった。

歴史

建設は、アレクサンドリアを開いたアレクサンドロス大王の後継者、プトレマイオス1世のもとで始まり、その子プトレマイオス2世の治世、前280年ごろに完成した。完成までには十数年と、銀八百タレントという莫大な費用を要したと伝えられる。設計を担ったのは、クニドスの建築家ソストラトスである。古代の史料は、その建築と技術の一切を彼に帰している。

灯台は、千年をはるかに超えて、地中海をゆく船を導きつづけた。しかし、たびかさなる地震がこれを傷め、956年から1303年にかけての揺れによって、ついに崩れ落ちる。15世紀末、その跡地には、残された石材を用いて、カーイトベーイの要塞が築かれた。今日、灯台そのものは残らないが、20世紀末、近海の海底から、巨大な石材や彫像の断片が見いだされている。

建築的特徴

塔は、明るい色の石灰岩と花崗岩の大きな切石を積みあげ、上へゆくほど細くなる三層から成っていた。下層は方形、中層は八角形、上層は円筒形であったと伝えられる。頂には火が焚かれ、その光は、磨いた鏡に反射して、はるか沖まで届いたという。塔の最上部には、神像が据えられていたとされる。世界七不思議のうち、墓や神殿ではなく、船の安全を守るという実用の目的をもった、唯一の建築であった。

意義・現在

アレクサンドリアの大灯台は、その後のあらゆる灯台の原型となった建築である。高くそびえて光を放ち、人を導くという形は、ここに始まった。建てた者の名を後世に伝えるため、ソストラトスが、王への献辞の下に自らの名を隠し刻んだという逸話も、長く語りつがれている。今はその姿を絵図と海底の遺構にとどめるのみだが、古代の技術の頂点として、なお人々の想像をかきたてている。

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LAST EDIT — 2026.06.21
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