ニューヨーク、タイムズスクエア近くに建つ52階・高さ約319メートルの超高層ビル。レンゾ・ピアノとフォックス&ファウルの設計で2007年に完成し、新聞社ニューヨーク・タイムズの本社が入る。
§1 — 概要概要
ニューヨーク・タイムズ・ビルディングは、マンハッタン中心部、タイムズスクエア近くの八番街に建つ超高層ビルである。地上52階、尖塔頂部までの高さは約319メートルに及ぶ。新聞社ニューヨーク・タイムズの本社が入り、レンゾ・ピアノとアメリカの設計事務所フォックス&ファウルの協働によって設計された。
歴史
2003年に用地が取得され、2005年末に着工した。2006年に鉄骨が頂部に達し、2007年11月に開館した。設計競技を経てレンゾ・ピアノの案が選ばれ、米国側の実施設計をフォックス&ファウルが担った。ニューヨーク・タイムズ社のほか、複数の不動産開発会社が共同で事業を進めた。本社の編集局(ニュースルーム)は低層部に置かれ、上層階はオフィスとして使われている。
建築的特徴
平面は十字形をとり、鉄骨ブレースの骨組みを外から見せる構造表現が特徴である。外壁はガラスのカーテンウォールで覆われ、その外側に淡い色のセラミック製の細い棒材を、隙間をあけて水平に並べた日除けが取り付く。この外被は直射日光を和らげて熱負荷を抑えると同時に、光を受けて刻々と表情を変え、建物に柔らかな発光感を与える。設備や構造を率直に見せる手法は、レンゾ・ピアノが切り開いたハイテック建築の系譜に連なる。低層部のロビー奥には、7本の白樺を植えた中庭が設けられている。一方、はしご状に等間隔で並ぶ外側の棒材は、開館直後によじ登る者を呼び寄せ、ちょっとした騒ぎを生んだ。
意義・現在
タイムズスクエアの喧騒の只中にあって、透明感と軽さを志向した本作は、20世紀的な重厚な摩天楼とは異なる現代の高層建築像を示した。ガラスの透明な外被には、報道機関の開かれた姿勢を建築のうえで表そうとする意図も読み取れる。ニューヨーク市内では13番目に高い建物に数えられ、報道機関の本社建築として街の景観の一部となっている。