ワン・リバティプラザ One Liberty Plaza
ニューヨーク、ロウアー・マンハッタンの超高層ビル。旧USスチール・ビルとして1973年にSOMの設計で完成した。鉄骨の構造をそのまま外にあらわした黒い格子状のファサードで知られ、無柱の広いオフィス空間をもつ。
§1 — 概要概要
ニューヨーク、ロウアー・マンハッタンの金融街に建つ、54階・高さ226メートルの超高層オフィスビルである。鉄鋼会社USスチールの本社として建てられ、当初は「USスチール・ビル」と呼ばれた。設計はアメリカを代表する設計事務所SOM(スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル)で、主任設計者はロイ・アレンが務めた。鉄骨の構造をそのまま外にあらわした、黒く重厚な姿で知られる。
歴史
この敷地には、かつて1908年竣工のシンガー・ビルが建っていた。一時は世界一の高さを誇ったこの名建築は、隣のシティ・インヴェスティング・ビルとともに1960年代末に取り壊された——当時、平和裡に解体された最も高い建物であった。その跡地に、鉄鋼の魅力を世に示そうとするUSスチールの肝いりで、新たな超高層が計画される。工事は1969年に始まり、1973年に完成した。
特別な容積率の取り決めにより、ビルの床面積を一つの街区に集約することが認められ、その見返りに南側に公開の広場が設けられた。この広場は、のちに「ズコッティ公園」と呼ばれることになる。
建築的特徴
最大の特徴は、構造の鉄骨をそのまま立面に見せた、黒い格子状のファサードである。ニューヨークの高層ビルとしては初めて、鉄骨の構造体を外部にあらわした作とされる。柱と、深く張り出した水平の梁(スパンドレル)が密に組まれ、ガラスのカーテンウォールが主流であった当時のインターナショナル・スタイルのなかで、ひときわ硬質な表情を見せる。この外周の頑丈な骨組みが風の力を受けとめるため、内部はほとんど柱のない、広く使いやすい床となっている。
意義・現在
ワン・リバティ・プラザは、鉄を構造であると同時に意匠として示した、構造表現主義的な摩天楼である。2001年の同時多発テロでは、すぐ近くのワールドトレードセンターの崩壊により大きな被害を受けたが、堅牢な構造のおかげで倒壊を免れ、周辺でいち早く業務を再開した。今もロウアー・マンハッタンを代表するオフィスビルの一つとして使われ続けている。
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