オスカー・ニーマイヤー国際文化センター Oscar Niemeyer International Cultural Centre
スペイン北部アストゥリアスの工業都市アビレスに立つ文化施設。ブラジルの建築家オスカー・ニーマイヤーが構想し、2011年に開館した。白く流れる曲線の建築群からなり、ニーマイヤーがスペインに遺した唯一の作品として知られる。
§1 — 概要概要
オスカー・ニーマイヤー国際文化センター(西: Centro Cultural Internacional Oscar Niemeyer、通称セントロ・ニーマイヤー)は、スペイン北部アストゥリアス州の工業都市アビレスにある文化複合施設である。ブラジルの近代建築を代表するオスカー・ニーマイヤーが設計し、彼がスペインに遺した唯一の作品である。河口の旧工業地帯を背景に、白を基調とする流麗な曲線の建築群が際立つ。
歴史
計画は、ニーマイヤーが1989年にアストゥリアス皇太子賞(現アストゥリアス公賞)の芸術部門を受賞したことに始まる、地域との関係に由来する。同賞の25周年を記念して、ニーマイヤーが2006年にこのプロジェクトを地域へ贈る形で構想した。2008年4月に起工し、約3年の工事を経て2011年3月26日に開館した。教育・文化・平和に捧げられた国際的な文化拠点として位置づけられ、ニーマイヤー自身がデザインした、横たわる女性の輪郭を表す陶板の装飾も組み込まれている。
建築的特徴
敷地には、講堂(オーディトリアム)、展示ホール、観望塔、映画館、レストランといった独立した建物が、白いコンクリートで舗装された開かれた広場を囲んで配される。主要構造はコンクリートとガラスを用い、半球状の展示ドームや、湾曲して立ち上がる講堂など、いずれも自由な曲面によって構成される。講堂の側面は黄色に塗られ、全体を支配する白との明快な対比をなす。彫塑的で開放的な造形が、各棟を貫く共通の主題となっている。
意義・現在
本センターは、ブラジリアをはじめ生涯にわたり曲線の建築を追求したニーマイヤーが、最晩年に欧州へ残した記念碑的作品である。ニーマイヤー自身、これを欧州における自らの最も重要な作と語ったと伝えられる。重工業の記憶を残す港湾都市に、白い有機的な造形群が対置される構図は、地域再生の象徴ともなった。開館後は運営や資金をめぐる曲折も経たが、現在は展示・公演・映画上映の場として活動を続けている。