EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
アラミリョ橋
© Jebulon / CC0
FIG. 01 — Q1353494

スペイン・セビリアのグアダルキビル川沿いに架かる斜張橋。1992年のセビリア万博に向けてサンティアゴ・カラトラバが設計し、後方へ傾く一本の主塔の自重だけで橋桁を支える独創的な構造で知られる。

FIG. 02 — Location37.4133° N 5.9903° W
スペイン アンダルシア州 セビリア
§1 — 概要

概要

アラミリョ橋(Puente del Alamillo)は、スペイン南部セビリアで、グアダルキビル川とアルフォンソ13世運河に挟まれた中州ラ・カルトゥハへ通じる斜張橋である。スペイン系スイス人の建築家・技師サンティアゴ・カラトラバの設計により、1992年のセビリア万国博覧会に合わせて架けられた。後方へ大きく傾いた一本の主塔が、その自重だけで橋桁を吊り支えるという、それまでにない構造形式で世界的に知られる。

歴史

セビリア万博は、ラ・カルトゥハ島を主会場として開かれた。会場へのアクセスを整える基盤整備の一環として、本橋は1989年に着工し1992年に竣工した。カラトラバはこの橋の構想を、1986年の自作の彫刻《ランニング・トルソ》——傾けて積み上げた大理石の立方体を一本のワイヤーで引き留めた作品——に遡らせている。当初は島の両側に対称形の橋を二本架ける計画だったが、最終的に非対称の一本だけが実現し、かえって強い印象を残す姿となった。

建築的特徴

全長200メートルの主径間を、後方へ傾いた高さ142メートルの主塔が支える。塔は鋼殻に鉄筋コンクリートを充填した重量物で、13対のケーブルが塔と橋桁を結ぶ。通常の斜張橋に不可欠な背面側の控えケーブル(バックステイ)やアンカーを、傾いた塔の自重で置き換えた点に最大の独創がある。橋桁は六角形の鋼製箱桁を背骨とし、その両側へ張り出した翼が片側3車線ずつの車道を支える。背骨の上面は車道より約1.6メートル高く持ち上げられ、歩行者・自転車用の高架路となっている。一方で、控えケーブルを欠くこの形式は荷重変化に対する構造効率が低く、塔が過大な重量を要する点には構造工学上の批判もある。

意義・現在

アラミリョ橋は、塔の自重のみで釣り合いを取る片持ち式斜張橋の先駆けとなり、カラトラバの彫塑的な橋梁デザインを世界へ印象づけた出世作の一つである。後のレディング(カリフォルニア)のサンダイアル橋やエルサレムの弦の橋など、同種の傾斜塔形式の系譜を生んだ。万博を機に生まれたこの橋は、旧市街のヒラルダの塔からも望め、いまもセビリアの新しい都市景観の象徴として親しまれている。

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LAST EDIT — 2026.06.25
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