EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
リッチモンド駅 (ロンドン)
© Voyager / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q801366

リッチモンド駅 (ロンドン) Richmond station

ロンドン南西部リッチモンドの鉄道・地下鉄駅。1846年開業の駅を、1937年にサザン鉄道の主任建築家ジェームズ・ロッブ・スコットがポートランド石によるアール・デコ様式で全面的に建て替えたもので、二級指定建造物に登録されている。

FIG. 02 — Location51.4632° N 0.3006° W
イギリス リッチモンド・アポン・テムズ・ロンドン特別区 リッチモンド
§1 — 概要

概要

リッチモンド駅(英: Richmond station)は、ロンドン南西部、テムズ川沿いのリッチモンドにある旅客駅である。ナショナル・レール(本線鉄道)、ロンドン地下鉄ディストリクト線、ロンドン・オーヴァーグラウンドが乗り入れる結節点であり、ロンドン中心部とこの瀟洒な郊外を結ぶ玄関口として機能している。今日見られる駅舎は、1937年にアール・デコ様式で建てられた、ポートランド石張りの端正な建築である。

歴史

最初の駅は、1846年7月27日、リッチモンド・アンド・ウェスト・エンド鉄道がクラパム・ジャンクションからの路線の終着駅として開いた。1869年にはロンドン・アンド・サウス・ウェスタン鉄道がケンジントン方面への路線を開通させ、当駅は次第に多くの路線が交わる要衝へと成長した。1923年の鉄道再編でサザン鉄道の一部となると、同社は駅の全面改築に踏み切り、1937年8月1日、通過線と駅舎を東側へ移して現在の駅舎を開業させた。設計はサザン鉄道の主任建築家ジェームズ・ロッブ・スコットが率いる設計陣による。2013年には駅前広場が歩行者空間として整備され、2023年から2025年にかけては創建時のアール・デコ意匠を蘇らせる修復工事が行われた。

建築的特徴

駅舎は、1930年代に流行したアール・デコの簡潔で幾何学的な意匠を、白いポートランド石のファサードに端正にまとめている。正面には角形の大時計が掲げられ、青銅とマホガニーの入口扉、高所に配された青銅製の文字看板が、控えめながら品位ある近代の駅舎像を形づくる。同じくスコットの設計によるサービトン駅などサザン鉄道の郊外駅群と意匠を共有し、ロンドン地下鉄駅で知られるチャールズ・ホールデンの仕事にも比される、機能主義的で洗練された様式に属する。

意義・現在

リッチモンド駅は、二度の世界大戦のあいだに鉄道会社が郊外の駅舎を競って近代化した時代の、洗練された到達点を示す建築である。英国では二級指定建造物(Grade II listed)に登録され、保護の対象となっている。2020年代の修復では、創建時の塗装色が科学的に分析・再現され、青銅の文字看板や入口扉が往時の姿に整えられた。日々多くの通勤客が行き交う現役の駅でありながら、リッチモンドの町にふさわしい歴史的な「顔」を取り戻している。

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LAST EDIT — 2026.06.29
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