EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
グラナダ王室礼拝堂
© Heparina1985 / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q429192

グラナダ王室礼拝堂 Royal Chapel of Granada

Capilla Real de Granada

スペイン南部グラナダに建つ後期ゴシックの霊廟。レコンキスタを完遂したカトリック両王イサベル1世とフェルナンド2世の墓所として1505年から築かれ、イサベル様式を代表する建築に数えられる。

FIG. 02 — Location37.1760° N 3.5990° W
スペイン アンダルシア州 グラナダ
§1 — 概要

概要

グラナダ王室礼拝堂(スペイン語: Capilla Real de Granada)は、スペイン南部アンダルシアの古都グラナダに建つ後期ゴシックの霊廟である。1492年にレコンキスタ(国土回復運動)を完遂したカトリック両王——カスティーリャ女王イサベル1世とアラゴン王フェルナンド2世——の墓所として築かれた。スペイン後期ゴシックの一様式であるイサベル様式を代表する建築であり、隣接するグラナダ大聖堂とは別個の聖堂として、両王の遺志を体現する記念碑となっている。

歴史

1504年9月、両王はみずからの遺骸をグラナダに葬るよう勅許で定めた。これを承けて1505年、建築家エンリケ・エガスの設計により着工し、礼拝堂本体は1517年に完成した。当初はナスル朝の旧都の一角に建てられ、のちにその脇へ大聖堂が並んで造営されることになる。イサベル1世は1504年、フェルナンド2世は1516年に没し、その遺骸は完成後の礼拝堂へ移された。さらに両王の娘フアナ(狂女王フアナ)とその夫フェリペ1世(美男公)もここに葬られ、四基の大理石墓碑が内陣前に据えられた。両王の墓碑はドメニコ・ファンチェッリ、フアナとフェリペの墓碑はバルトロメ・オルドニェスの手になる初期ルネサンスの彫刻である。

建築的特徴

構造は尖頭アーチリブ・ヴォールトによるゴシックの骨格を保ちながら、装飾には独自の密度がある。外壁や内陣障壁を覆う繊細な石彫には、両王の紋章、軛(くびき)と矢の標章、そしてグラナダの象徴であるザクロが織り込まれ、政治的図像が一体に展開する。内陣を画す精緻な鉄製の障屏(レハ)は、職人マエストロ・バルトロメによる16世紀スペイン金工の傑作とされる。墓碑の下には鉛の柩を納めた地下聖堂(クリプタ)があり、地上の華麗な記念彫刻と対照をなす。聖具室はイサベル1世の美術コレクションを収め、フランドル絵画やフェリペ・ビガルニーの主祭壇衝立などが置かれている。

意義・現在

グラナダ王室礼拝堂は、中世スペインの最終局面と近世王権の幕開けが交差する場である。ゴシックの構造とルネサンスの彫刻が同居する点で、様式の移行期を端的に示す。両王の孫である神聖ローマ皇帝カール5世は、この礼拝堂を「かくも偉大な栄光には手狭」と評したと伝えられ、より壮麗な廟の構想もあったが、両王の遺骸は今も当初の礼拝堂に安置されたままである。現在は美術館を兼ねて公開され、隣接する大聖堂とともにグラナダ旧市街の中核をなしている。

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LAST EDIT — 2026.06.29
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