王立展示館 Royal Exhibition Building
オーストラリア・メルボルンのカールトン庭園に建つ展示館。1880年の万国博覧会のためにジョセフ・リードの設計で建てられ、1901年にはオーストラリア連邦の発足式が開かれた。2004年、同国で初めて世界遺産に登録された建物である。
§1 — 概要概要
王立展示館は、オーストラリア・メルボルンのカールトン庭園に建つ展示施設である。19世紀後半に世界各地で開かれた万国博覧会の流れのなかで、1880年のメルボルン万国博覧会の主会場として建設された。当時のヴィクトリア植民地が誇った富と自負を体現する建物であり、19世紀の博覧会建築のなかでも、当初の姿をよくとどめる現存例として高く評価されている。
歴史
建物は地元の著名な建築家ジョセフ・リードの設計により、1879年に着工し、1880年に竣工した。同年の万国博覧会、続く1888年の万国博覧会の会場となり、1901年にはオーストラリア連邦の発足を宣言する式典がこの大空間で執り行われた。20世紀には一部の翼や付属棟が火災や取り壊しで失われたが、中心の大ホールは残された。1980年にエリザベス二世から「王立(ロイヤル)」の称号を贈られ、1990年代に修復を受けた。
建築的特徴
リードの設計は折衷的で、ビザンティン、ロマネスク、ロンバルディア、イタリア・ルネサンスなど多様な源泉に学んでいる。中央にそびえるドームはフィレンツェ大聖堂のドームを範とし、翼部には半円アーチを基調とする円弧様式が用いられた。十字形の平面とボザール的な規模をもち、煉瓦・木・鉄・スレートを組み合わせて建てられている。様式の純粋さよりも、各時代の要素を総合して記念性を演出する、ヴィクトリア朝らしい歴史主義の精神がよく表れている。
意義・現在
王立展示館は、国際博覧会運動を今に伝える世界でもっとも完全な現存例とされる。2004年、隣接するカールトン庭園とともに、オーストラリアの建造物として初めてユネスコの世界遺産に登録された。オーストラリア国定遺産およびビクトリア州指定文化財でもある。現在も各種の展示や式典の会場として使われ、隣接するメルボルン博物館と一体となって、市民に親しまれる文化の拠点でありつづけている。