サンパウロ大聖堂 São Paulo Cathedral
ブラジル・サンパウロの中心セー広場に建つ大聖堂。ドイツ出身の建築家ヘールが設計したネオ・ゴシックの巨大聖堂で、ルネサンス様式のドームを戴く。世界有数のゴシック・リヴァイヴァル建築に数えられる。
§1 — 概要概要
サンパウロ大聖堂(Catedral da Sé)は、ブラジル最大の都市サンパウロの歴史的中心であるセー広場に建つカトリックの大聖堂である。サンパウロ大司教区の司教座聖堂であり、尖頭アーチを基調とするネオ・ゴシック(ゴシック・リヴァイヴァル)の様式による。全長111メートル、双塔は92メートルに達し、世界有数の規模のゴシック・リヴァイヴァル聖堂に数えられる。
歴史
植民地時代以来この地にあった旧聖堂の老朽化を受け、20世紀初頭に新しい大聖堂の建設が決まった。設計はブラジルに渡ったドイツ出身の建築家マクシミリアン・エミール・ヘールが手がけ、1913年に着工した。ヘールは1916年に世を去り、その後は複数の後継者が工事を継いだ。二度の世界大戦や経済の混乱で工事は難航したが、サンパウロ創建四百年にあたる1954年に献堂され、双塔が完成したのは1967年のことであった。
建築的特徴
基調はネオ・ゴシックで、正面には三つの大扉とバラ窓が配され、内部はリブ・ヴォールトの高い身廊が五廊にわたって広がる。一方、交差部を覆う大ドームはルネサンス様式に倣うもので、フィレンツェ大聖堂のドームを想起させる。柱頭にはコーヒーの実やパイナップルなど、ブラジルの風土に取材した意匠が刻まれ、ヨーロッパの様式を現地の文脈へ翻案している。内部は八千人を収容する規模をもち、主祭壇の下には歴代の司教が眠る地下聖堂が設けられている。
意義・現在
半世紀におよぶ工期を経て完成したこの大聖堂は、急速に発展した20世紀サンパウロの野心と文化的自負を体現する記念碑である。2000年から2002年にかけて大規模な修復が行われ、当初の設計図に基づいて小尖塔などが補われた。現在も市民の信仰の中心であり、都心の広場に面する待ち合わせの目印としても親しまれている。