サン・シルヴェストロ・イン・カピテ聖堂 San Silvestro in Capite
ローマ中心部に建つカトリックの聖堂。8世紀に殉教者の聖遺物を納める堂として創建され、16世紀末にフランチェスコ・ダ・ヴォルテッラとカルロ・マデルノによってバロック様式に再建された。洗礼者ヨハネのものとされる頭部の聖遺物で知られる。
§1 — 概要概要
サン・シルヴェストロ・イン・カピテ(San Silvestro in Capite)は、ローマ中心部のサン・シルヴェストロ広場に建つカトリックの小バシリカ・名義聖堂である。教皇シルウェステル1世に捧げられ、英語圏カトリックの拠点教会(イギリスの国民教会)でもある。堂名の「イン・カピテ」はシルウェステル1世の称号に由来するが、堂内に伝わる洗礼者ヨハネの頭部とされる聖遺物とも結び付けて語られてきた。
歴史
最初の聖堂は8世紀、教皇パウルス1世とその兄ステファヌス2世(3世)により、太陽神ソル・インウィクトゥスの神殿跡に建てられた。カタコンベから移された初期キリスト教の殉教者の聖遺物を納めるためで、修道院が併設された。13世紀には聖堂はクラリッセ会(貧しきクララ会)に委ねられる。現在の姿は、1591〜1601年にフランチェスコ・ダ・ヴォルテッラと、その死後を継いだカルロ・マデルノによる再建に拠る。正面ファサードは1703年に完成し、1681年にも修復が加えられた。
建築的特徴
堂は8世紀の創建以来、度重なる改築を経て今日のバロック様式の内部を備える。身廊は豊かな漆喰装飾と天井画で飾られ、対抗宗教改革期のローマ聖堂に通じる荘厳さをもつ。1703年のファサードは、複数の階を貫くジャイアント・オーダーを用い、頂部に四体のバロック彫像を戴く独特の構成で知られる。中庭に面しては、12世紀末の再建にさかのぼるロマネスク様式のカンパニーレ(鐘楼)が残り、長い建設史の層位を今に伝えている。
意義・現在
サン・シルヴェストロ・イン・カピテは、古代末期の聖遺物信仰から中世、そしてバロックの再建へと続く、ローマの聖堂建築の重層性を体現する。現在はローマ在住の英語圏カトリックの教区教会として機能し、観光と巡礼の双方の対象であり続けている。
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