EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
サラエヴォ・シナゴーグ
© Desemeus / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q1268899

サラエヴォ・シナゴーグ Sarajevo Synagogue

Aškenaška sinagoga u Sarajevu

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォに建つ、ムーリッシュ・リヴァイヴァル様式のシナゴーグ。1902年に建築家カレル・パルジークの設計で建てられ、現在もサラエヴォで唯一機能しているユダヤ教会堂である。

FIG. 02 — Location43.8564° N 18.4251° E
ボスニア・ヘルツェゴビナ サラエヴォ県 サラエヴォ
§1 — 概要

概要

サラエヴォ・シナゴーグ(アシュケナージ・シナゴーグ)は、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォ、ミリャツカ川の左岸に建つユダヤ教会堂である。1902年にチェコ出身の建築家カレル・パルジークの設計によって建てられた、ムーリッシュ・リヴァイヴァル様式の代表的な建築である。ヨーロッパでも有数の規模をもつシナゴーグとして知られ、現在もサラエヴォで唯一礼拝に用いられているユダヤ教会堂である。

歴史

サラエヴォのユダヤ人共同体は、16世紀にオスマン帝国領へ移り住んだセファルディ系ユダヤ人を起源とし、1878年にこの地がオーストリア=ハンガリー帝国の統治下に入ると、中欧から移住したアシュケナージ系の共同体が新たに形成された。本シナゴーグはこのアシュケナージ共同体のために1902年に建設された。1927年の25周年には大規模な改修が行われ、1933年には事務所や図書室、ラビの住居を備えた管理棟が増築された。1964年から翌年にかけては上階が増設され、礼拝と共同体の活動のための改修が施された。1992年から1995年のボスニア紛争では被害を受けたが、その後修復され、2006年にボスニア・ヘルツェゴビナの国家記念物に指定されている。

建築的特徴

建築様式は擬ムーア様式で、中世イベリア半島や北アフリカのイスラーム建築に範をとっている。馬蹄アーチアラベスクといったムーア風の装飾が外壁や窓まわりに見られる一方、空間の構成は西欧の教会建築に近く、三廊式の長方形ホールに東側のアプスと四隅の塔を備える。塔の頂部には分割されたドームが戴かれ、折衷主義的な歴史主義建築の特質をよく示している。

意義・現在

このシナゴーグは、セファルディとアシュケナージ、そして周辺の諸宗教が層をなして共存してきたサラエヴォにおいて、ユダヤ人共同体の記憶を伝える存在である。紛争による傷を経てもなお礼拝の場として機能し続けており、多宗教・多文化が交わるこの都市の歴史を体現する建物として、ボスニア・ヘルツェゴビナの国家記念物に指定され、大切に維持されている。

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LAST EDIT — 2026.06.26
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