サウス・ハーロウ South Harrow tube station
ロンドン北西部にあるロンドン地下鉄ピカデリー線の駅。1903年に地区鉄道の終点として開業し、地下鉄地表線初の電化区間の一部となった。現在の駅舎は1935年にチャールズ・ホールデンの設計で建てられた近代建築である。
§1 — 概要概要
サウス・ハーロウは、ロンドン北西部に位置するロンドン地下鉄ピカデリー線の駅である。アクスブリッジ支線上にあり、レイナーズ・レーン駅とサドベリー・ヒル駅の間に置かれる。1903年の開業以来、路線の電化や所属線の変遷を経て今日に至る、ロンドン郊外鉄道の歩みを映す駅である。
歴史
当駅は1903年6月28日、地区鉄道(現在のディストリクト線)がパーク・ロイヤルから延伸した区間の終点として開業した。この区間は、蒸気運転に代えて電車を走らせた、地下鉄地表線で最初の電化区間でもあった。1910年にはレイナーズ・レーンでメトロポリタン鉄道の線路に接続してアクスブリッジ方面へ延びた。当駅の北でロクセス湿地を越える高架橋は、当時の土木技術の見せ場とされた。1932年から翌年にかけてはピカデリー線がこの区間を引き継いでいる。1935年7月5日には、初代駅舎の北側にチャールズ・ホールデン設計の新駅舎が開業した。
建築的特徴
ホールデンによる現駅舎は、高い位置にあるホームへ向けて両側が段状にせり上がる構成を取る。煉瓦の壁面に水平の連続窓を帯のように回し、その上を平らなコンクリートの陸屋根が覆う。1920年代から30年代にかけて地下鉄の駅舎群を手がけたホールデンらしい、簡素で明快な近代の意匠である。約170メートル南にある1903年開業時の初代駅舎も現存し、現在は乗務員のための施設として使われている。
意義・現在
当駅は、郊外への路線網の拡張と、駅舎を通じた近代的なデザインの普及という、20世紀前半のロンドン地下鉄の二つの動きが重なる場所である。ホールデンが整えた一連の駅舎は地下鉄の視覚的な統一性を支えており、当駅もその系譜に連なる一例として、今日も日常の足を担っている。