EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
セント・ポール大聖堂
© Mark Fosh / CC BY 2.0
FIG. 01 — Q173882

セント・ポール大聖堂 St Paul's Cathedral

St Paul's Cathedral

イギリス、ロンドンの英国国教会の大聖堂。1666年のロンドン大火で焼失した旧聖堂に代わり、クリストファー・レンが設計し1710年に完成させた。世界有数の大ドームをいただく、イングランド・バロックの代表作である。

FIG. 02 — Location51.5138° N 0.0983° W
イギリス シティ・オブ・ロンドン ロンドン
§1 — 概要

概要

セント・ポール大聖堂(St Paul's Cathedral)は、ロンドンのシティに立つ英国国教会の大聖堂で、ロンドン主教座が置かれる。シティの最高所ラドゲート・ヒルに建ち、巨大なドームは300年以上にわたってロンドンの空を画してきた。設計はクリストファー・レン。イングランド・バロックを代表する建築である。

歴史

この地には604年以来、聖パウロに捧げられた聖堂が続いてきた。中世のゴシック聖堂(旧セント・ポール)は、1666年のロンドン大火で市街の三分の二もろとも焼け落ちる。再建を託されたのが、天文学者から建築家へと転じたレンであった。

レンの設計は数年にわたる検討を経て確定し、1675年に礎石が据えられた。工事は石炭税で賄われ、長い歳月をかけて進む。1697年に最初の礼拝が行われ、1708年にはレンの息子の手で最後の石がランタンに置かれた。建物は1710年に完成し、1711年のクリスマスに議会が正式な完成を宣言する。一人の建築家のもとで、35年をかけて築かれた大聖堂であった。レンは1723年に没し、この聖堂の地下に葬られた。墓碑には「読者よ、記念碑を求めるなら、周りを見よ」と刻まれている。第二次世界大戦のロンドン空襲では、周囲が炎に包まれるなか焼失を免れ、不屈の象徴となった。

建築的特徴

外装には、ドーセット産の淡い灰色のポートランド石が用いられている。最大の見せ場は、ローマのサン・ピエトロ大聖堂に範をとったドームである。これは三層からなる巧みな構造で、空にそびえる木と鉛の外殻、内部から見上げる内殻、そしてその間に隠された煉瓦造の円錐が、頂部のランタンの重みを支える。高さ111メートルに達する頂は、1710年から1963年まで、ロンドンでもっとも高い建造物であった。

意義・現在

セント・ポールは、ネルソンやウェリントンの埋葬、チャーチルの国葬など、英国の国家的な式典の舞台となってきた。グレードI指定建造物として保護され、今もシティの礼拝と祈りの中心である。レンの墓碑が告げるとおり、大聖堂そのものが、彼のもっとも雄弁な記念碑であり続けている。

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LAST EDIT — 2026.06.21
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