トルクメニスタンの首都アシガバート近郊ギプチャクに建つ、中央アジア最大級のモスク。初代大統領ニヤゾフが故郷に建設させ、白大理石の堂と、1991年の独立を象徴する91メートルの尖塔を備える。霊廟も併設する。
§1 — 概要概要
テュルクメンバシュ・ルーフ・モスク(トルクメン語: Türkmenbaşy Ruhy Metjidi)は、トルクメニスタンの首都アシガバートの西郊、ギプチャク(キプチャク)村に建つモスクである。「テュルクメンバシュ(トルクメンの長)の精神のモスク」を意味し、中央アジア最大級の規模を誇る。初代大統領サパルムラト・ニヤゾフが、自らの故郷に国家的記念碑として建設させたもので、隣接して彼の霊廟を併設する。
歴史
ニヤゾフの発注により、フランスの建設大手ブイグ(Bouygues)の手で2002年から2004年にかけて建設され、2004年10月22日に開堂した。総工費は1億ドルとされ、全体が白大理石で覆われている。設計はブイグのフランス人建築家が担い、ロベール・ベロンの名が伝わる。彼らは伝統的なオスマン様式を採らず、トルクメニスタンの歴史的建造物に見られる地域的な意匠を前面に出した。ニヤゾフ没後の2006年、その遺体は併設の霊廟に葬られている。
建築的特徴
中央に金色のドームを戴く方形の礼拝堂を、四隅から四基の尖塔(ミナレット)が囲む。ドームの高さは約55メートル、尖塔はいずれも91メートルで、これはトルクメニスタンが独立した1991年にちなむ。九つのアーチ状の入口、無数の噴水、白い列柱の並ぶ礼拝空間をもち、内部は約一万人を収容する。床下は暖房され、トルクメンの手織り絨毯が敷かれる。壁面にはミフラーブの周囲をはじめコーランの章句が刻まれるが、同時にニヤゾフの著書『ルーフナマ(魂の書)』からの引用も並置された点が、本モスクを際立たせている。
意義・現在
コーランとならんで指導者個人の著作を聖典のように掲げた構成は、ニヤゾフの個人崇拝を体現するものとして国内外で議論を呼び、彼の没後、他のモスクでは同様の慣行が取りやめられた。それでも本モスクはトルクメニスタンを代表する宗教建築であり、その姿は500マナト紙幣にも描かれている。独立後のトルクメニスタンが推し進めた、白大理石による記念碑的建築の典型例といえる。
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