ポーランド、ヴロツワフのサッカー競技場。UEFA欧州選手権2012のために2009年に着工し、2011年に完成した。半透明の膜で覆われた行灯のような外観で知られる。
§1 — 概要概要
ヴロツワフ市立競技場(Stadion Miejski we Wrocławiu)は、ポーランド南西部の都市ヴロツワフにあるサッカー専用競技場である。2021年以降は命名権により「タルチンスキ・アレナ・ヴロツワフ」と呼ばれる。収容人数は約4万3千人で、UEFA欧州選手権2012の開催会場の一つとして建設された。
歴史
欧州選手権2012の共催国となったポーランドが、開催都市の一つヴロツワフに整備した競技場である。設計はドイツの設計事務所JSKが担当し、2009年4月に着工、2011年9月に完成した。こけら落としはサッカーではなく、同年9月10日に行われたボクシングの世界ヘビー級タイトルマッチであった。以後、地元クラブのシロンスク・ヴロツワフの本拠地として使われている。
建築的特徴
円筒形に近いボリュームの外周を、テフロン被覆ガラス繊維による半透明の膜が一枚の皮のように覆う。継ぎ目を抑えた滑らかな外被は、夜間に内側から照らされると、巨大な行灯あるいは中国提灯のように発光する。膜を支えるのは外周を巡る鋼の骨組みであり、内部の観客席とは独立した二重の構成をとる。観客席全体を覆う屋根もまた膜によるもので、軽快さと大スパンを両立させている。装飾に頼らず、外皮そのものを表現とする現代競技場の典型である。
意義・現在
ヴロツワフ市立競技場は、欧州選手権という国際大会を契機に整備された一連の東欧スタジアムを代表する一つである。2012年の本大会では、チェコ代表が出場するグループAの3試合がここで行われた。発光する外皮はヴロツワフに新しい夜景を生み、サッカーのみならずコンサートや式典の舞台ともなっている。ポーランドのトップリーグでは最大、国内でも有数の規模をもつ競技場であり、命名権による改称を経てなお、街のランドマークとしての地位を保っている。