テアトロ・マッシモ Teatro Massimo Vittorio Emanuele
イタリア・シチリア島パレルモのオペラ劇場。1875年に着工し1897年に開場した、イタリア最大・ヨーロッパ有数の規模を誇る劇場で、古代ギリシア神殿に着想を得た壮麗な新古典主義のファサードで知られる。
§1 — 概要概要
テアトロ・マッシモ・ヴィットリオ・エマヌエーレ(Teatro Massimo Vittorio Emanuele)は、イタリア・シチリア島の州都パレルモのヴェルディ広場に立つオペラ劇場である。イタリア統一の立役者である国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に捧げられた。客席を含む面積はイタリア最大で、開場当時はパリのオペラ座、ウィーンの宮廷歌劇場に次ぐヨーロッパで3番目に大きい劇場であった。馬蹄形の大ホールは優れた音響でも名高い。
歴史
統一後のパレルモが、ナポリに次ぐ南イタリア第二の都市にふさわしい大劇場を求めて、1864年に国際設計競技が告示された。これに勝利したのが、地元シチリアの建築家ジョヴァンニ・バッティスタ・フィリッポ・バジーレである。建設は1875年1月12日の定礎をもって始まったが、政情や財政の困難から1882年から1890年まで中断した。バジーレは1891年に完成を見ずに没し、事業は息子のエルネスト・バジーレが引き継いだ。劇場は着工から22年を経た1897年5月16日、ヴェルディの歌劇『ファルスタッフ』の上演をもって開場した。なお建設にあたっては、聖ジュリアーノ修道院など複数の教会・施設が取り壊されている。
建築的特徴
劇場は新古典主義を基調とし、古代ギリシア・ローマの建築語彙を随所に用いた折衷的な造形をもつ。父バジーレが手がけた外観は古代ギリシア神殿に着想を得ており、正面には6本のコリント式円柱が並ぶ堂々としたポルティコ(プロナオス)が張り出し、その上にペディメントを戴く。柱のオーダーと三角の破風は、芸術の殿堂を古典神殿になぞらえる意図を明確に示す。建物全体は大きな金属製のドームによって戴かれ、パレルモの都市景観を特徴づける。階段を飾る二頭のブロンズの獅子や、息子エルネストがリバティ様式で仕上げた華麗な内部装飾も見どころである。
意義・現在
テアトロ・マッシモは、統一後のシチリアが大陸ヨーロッパと並ぶ文化的威信を求めた野心の所産であり、フロリオ家ら啓蒙的な企業家の支援のもとに実現した。1974年から1997年まで長期の修復のため閉鎖されたのち、アバド指揮のベルリン・フィルの演奏会で再開した。映画『ゴッドファーザー PART III』終盤の舞台としても世界的に知られ、現在もイタリアを代表するオペラ劇場として活動を続けている。
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