EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
東京タワー
© Akonnchiroll / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q183536

東京タワー Tokyo Tower

東京・芝公園にそびえる総合電波塔。構造家・内藤多仲の構造設計により1958年に完成した、高さ333メートルの自立式鉄骨塔である。エッフェル塔を超える当時世界一の高さを、その半分ほどの鋼材で実現し、戦後復興の象徴となった。

FIG. 02 — Location35.6586° N 139.7456° E
日本 東京都 港区
§1 — 概要

概要

東京都港区の芝公園にそびえる総合電波塔である。1958年に完成した高さ333メートルの自立式鉄骨塔で、構造設計は「塔博士」と呼ばれた構造家・内藤多仲(Tachū Naitō)が指導し、設計は日建設計が担った。完成当時、パリのエッフェル塔(当時312メートル)を超える自立式鉄塔として世界一の高さを誇りながら、用いた鋼材はその半分ほどであった。赤(インターナショナルオレンジ)と白に塗り分けられた姿は、戦後復興と高度経済成長期の象徴として親しまれ、2013年には国の登録有形文化財となった。

歴史

1950年代、日本ではテレビ放送が始まり、放送局ごとに別々の電波塔が乱立しつつあった。これを一本にまとめる総合電波塔の必要から、産経新聞の創業者・前田久吉が建設を発起し、日本電波塔株式会社が設立される。敷地には、芝の増上寺にゆかりの一角が選ばれた。地震と台風の多い日本で前例のない巨大鉄塔を建てうる人物として、構造設計の第一人者・内藤多仲に白羽の矢が立った。当初はアンテナを含め380メートルが構想されたが、風による揺れを考慮して全高333メートルに落ち着いた。

設計は内藤の指導のもと日建設計が、施工は竹中工務店が担い、1957年に着工、わずか1年半ののち1958年12月23日に竣工した。その後、2012年に東京スカイツリーが完成すると電波塔としての役割の多くを譲ったが、今もFM放送や予備の送信設備を担っている。

建築的特徴

鉄骨を組み上げた自立式の塔で、四方に末広がりにひらく脚部には、X形の鉄骨ブレースが連ねられている。これは台風と地震に耐えるための構えであり、内藤が体系化した耐震構造の理論が支えている。その末広がりの曲線は、装飾としてではなく、力学的に無理のない安定した形を追い求めた結果として導かれた——内藤はこれを「数字のつくった美しさ」と表現している。鋼材をエッフェル塔の半分ほどに抑えつつ世界一の高さを実現した点に、戦後日本の構造技術と、塔を組み上げたとび職人の手仕事の到達がうかがえる。塔体は航空法の定めにより、赤と白の帯状に塗り分けられている。

意義・現在

完成当時、建築や美術の専門家のあいだでは、エッフェル塔の模倣で意匠の新しさに乏しいといった辛口の評も少なくなかった。しかし東京タワーは、戦後復興と高度経済成長の只中に立ち上がった世界一の塔として人々の記憶に深く刻まれ、数多の映画や物語に登場しながら、東京の心象風景の中心となっていった。スカイツリーに高さを譲った今も、予備電波塔として、また登録有形文化財として、その役割と姿を保ち続けている。

関連する建築

Related
同じ様式
構造表現主義 エッフェル塔
1889 · パリ
エッフェル塔
Stéphen Sauvestre

エッフェル塔(tour Eiffel)は、パリ七区のシャン・ド・マルスに立つ高さ約330メ…

データ: Wikidata (Q183536) / 画像: © Akonnchiroll / CC BY-SA 4.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.22
ENTRY ID — BLD-0087