スウェーデン南部、クルーノベリ県ベクショーの大聖堂。12世紀後半の石造聖堂に始まり、中世のレンガ造ホール教会を母体に、19世紀と20世紀の大改修を経て現在の双塔の姿となった、ベクショー司教区の中心である。
§1 — 概要概要
ベクショー大聖堂(Växjö domkyrka)は、スウェーデン南部の都市ベクショーにある、スウェーデン国教会ベクショー司教区の大聖堂である。伝説では聖シグフリッドの創建とされるが、現存する建物は12世紀以来の度重なる増改築の産物であり、とりわけ19世紀と20世紀の大規模な改修が現在の外観を決めている。西塔と方形の内陣をもつホール教会である。
歴史
1160年代末にベクショー司教区が置かれた頃、最初の石造聖堂の建設が始まったとみられる。13世紀には内陣が方形に建て替えられ、塔も整えられた。15世紀には各部が一体化されてホール教会の形にまとめられ、リブ・ヴォールトが架けられた(銘文によれば1509年に完成)。その後も火災と再建を繰り返し、1740年の落雷による大火では塔と東部のヴォールトを焼失している。1849年から1854年にかけては、カール・ゲオルク・ブルニウスがドイツやスコーネの中世教会に倣い、階段切妻を多用する外観へと改めた。
建築的特徴
身廊と二つの側廊、幅広い西塔、方形の内陣からなる。外壁は赤く塗られ、窓まわりなどの切石は白く塗り分けられている。塔には二本の高い尖塔が立つが、これは1958年から1960年にかけてクルト・フォン・シュマレンセーが主導した改修で、中世の姿を回復させる意図のもとに建てられたものである。現在見られる赤い壁面や西正面の盲アーケードも、この20世紀の改修に多くを負っている。
意義・現在
ベクショー大聖堂は、中世に起源をもちながら、後世の改修者たちの手で繰り返し姿を変えてきた建物である。ブルニウスとフォン・シュマレンセーという二人の建築家が手がけた19〜20世紀の改修こそが、その中世主義的な現在の外観を形づくった。今日もベクショー司教の座する大聖堂として機能している。