EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ヴァルトシュタイン宮殿
© V. Groulík / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q569877

ヴァルトシュタイン宮殿 Wallenstein Palace

Valdštejnský palác

プラハのマラー・ストラナに建つ、ボヘミア最初期のバロック宮殿。三十年戦争の将軍ヴァレンシュタインが1623年から造営し、現在はチェコ上院が置かれている。

FIG. 02 — Location50.0900° N 14.4067° E
チェコ プラハ プラハ
§1 — 概要

概要

ヴァルトシュタイン宮殿(Valdštejnský palác)は、チェコ・プラハのマラー・ストラナ(小地区)に建つ宮殿である。三十年戦争で皇帝軍の総司令官を務めた将軍アルブレヒト・フォン・ヴァレンシュタイン(チェコ名ヴァルトシュテイン)が造営した、ボヘミア最初期にして最大級のバロック宮殿として知られる。現在はチェコ共和国上院の議事堂が置かれている。

歴史

宮殿は1623年から1630年にかけて建てられた。ヴァレンシュタインは広大な敷地を確保するため、20軒余りの家屋や既存の建物を取り壊させたと伝えられる。造営にはイタリア人の建築家・職人が多数招かれ、インテルヴィ谷出身のアンドレア・スペッツァが主導したが、1628年に没し、その後を別の建築家が継いだ。フィレンツェ出身の技師ジョヴァンニ・ピエローニも計画と施工に重要な役割を果たした。プラハ城に対抗するかのような壮麗さは、施主の権勢と野心を物語る。

建築的特徴

様式は、後期マニエリスムから初期バロックへの過渡を示す。白眉は、庭園に向かって三つの大アーチを開くサラ・テレーナで、室内と庭を連続させるイタリア仕込みの空間である。広大な庭園には、彫刻家アドリアン・デ・フリースによる青銅彫刻(現在は複製)が並び、鍾乳石を模した奇怪な「鍾乳洞の壁」も設けられた。主室の天井画には、施主を軍神マルスや英雄に擬えた寓意が描かれている。

意義・現在

ヴァルトシュタイン宮殿は、三十年戦争期の中欧に生まれた壮大なバロック宮殿として、また一人の将軍の権力の記念碑として重要である。1992年以降はチェコ上院の所在地となり、庭園は一般に公開されている。ユネスコ世界遺産「プラハ歴史地区」の一画にあって、プラハ城の対岸に独自の威容を保っている。

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LAST EDIT — 2026.06.29
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