モスクワ川北西部に架かる、市内初の斜張橋。川を渡らず川沿いに湾曲して走る特異な構造をもち、川上に立つ高さ105mの鋼アーチから78本のケーブルで桁を吊る。2007年開通。
§1 — 概要概要
ジヴォピスヌイ橋(Живописный мост)は、モスクワ北西部でモスクワ川に架かる斜張橋である。2007年に開通したモスクワ初の斜張橋であり、近傍のジヴォピスナヤ(「絵のような」の意)通りに名を採る。設計は建築家ニコライ・シュマコフ、構造の発案はオムスクの設計組織モストヴィクとメトロギプロトランスの技術陣による。
歴史
クラスノプレスネンスキー大通りの一部として、クルイラトスコエ地区とホロショーヴォ=ムニョーヴニキ地区を結ぶ計画のもと、2004年9月に着工した。難所はモスクワ川の両岸に自然保護区セレブリャヌイ・ボル(銀の森)が広がる点にあり、橋を川と直交させず川に沿わせて配することで保護区を迂回した。橋は片側数車線の自動車道を通し、歩行者のための通路も併せもつ。2007年12月27日に開通している。
建築的特徴
全長1.5kmを超えるS字状の桁のうち、主径間は約409.5m・幅47mで、川面から約30m上を走る。最大の特徴は、川を跨いで斜めに立つ高さ105mの鋼アーチの主塔であり、ここから張られた78本のケーブルが桁を支える。アーチは桁の流れに対して斜めに架けられ、川面へ大きく傾いで立つため、見る位置によって輪郭を変える。アーチの頂部には円盤状の構造体が吊り下げられ、当初は展望レストランが計画されたが、設備上の理由から実現していない。
意義・現在
川を渡るのではなく川沿いを走るという発想と、市街に立つ巨大な傾斜アーチによって、本橋はモスクワ西部の新しい目印となった。建設当時はこの種の斜張橋として欧州で最も高いとされ、現代モスクワのインフラ整備を象徴する一例である。「絵のような」という名にふさわしく、橋は竣工後まもなくモスクワ西部を代表する被写体の一つとなった。吊り下げられたカプセルは結婚登記所などへの転用も検討されたが、長く未使用のまま残されている。