サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会 (アッシジ) Basilica of Santa Maria degli Angeli
アッシジの麓の平地に立つ巨大な教皇バシリカ。聖フランチェスコ終焉の地ポルツィウンコラを覆うため、ガレアッツォ・アレッシの設計で1569年に着工された。フランシスコ会の聖地である。
§1 — 概要概要
イタリア中部、アッシジの麓の平地に立つ、ローマ・カトリックの教皇バシリカである。内部に小聖堂ポルツィウンコラを収め、聖フランチェスコが祈り、また生涯を閉じた地として、フランシスコ会霊性の中心をなす。聖地を保護し、各地から訪れる巡礼者を迎えるために、16世紀後半に着工された大規模な教会堂である。
歴史
聖地ポルツィウンコラを適切に守るべく、教皇ピウス5世らの意向のもと1569年に建設が始まった。設計はペルージャ出身の建築家ガレアッツォ・アレッシが担い、ヴィニョーラの関与も伝えられる。資金と技術の双方の困難から工事は遅々として進み、内部空間がほぼ整うのは1630年代末、建物全体が竣工したとされるのは1679年のことであった。1832年の地震で甚大な被害を受けたのち修復され、現在の正面は1925年から1930年にかけてチェーザレ・バッツァーニの設計で築き直された。
建築的特徴
平面は全長126メートルに及ぶラテン十字形をとり、三廊式の堂内では側廊が大きな礼拝堂に開いて、16世紀末から17世紀初頭の絵画を数多く収める。アレッシの当初案は、トリエント公会議後の規範とフランシスコ会の清貧の理想に応じた厳格な簡素さを旨としており、創建時の構造のうちクーポラと後陣が今日に伝わる。一方、ローマ・バロックに着想した重厚な正面のポルティコは20世紀の再建によるもので、頂には金色のマリア像が据えられている。
意義・現在
本聖堂は、フランシスコ会発祥の聖地ポルツィウンコラを包み込む器として、信仰史上きわめて重要な位置を占める。建築としても、後期ルネサンスの簡素な設計に19世紀から20世紀の修復と新しい正面が重なり、長い造営史を一身に体現している。今日も多くの巡礼者と訪問者を集める、ウンブリアを代表する宗教建築である。