サン・マルコ聖堂(ローマ) Basilica of St. Mark the Evangelist
ローマ、ヴェネツィア広場に隣接する小バシリカ。336年に創建され833年に現在の姿へ再建された古い聖堂で、15世紀にローマ初期ルネサンスを代表する柱廊付きのファサードが加えられた。
§1 — 概要概要
サン・マルコ聖堂(Basilica di San Marco Evangelista al Campidoglio)は、ローマのヴェネツィア広場に隣接する小サン・マルコ広場に建つ、福音記者マルコに捧げられたバシリカである。ローマにおけるヴェネツィアの国民教会でもある。古代に起源をもつ聖堂でありながら、15世紀に加えられた初期ルネサンスのファサードによって広く知られる。
歴史
『歴代教皇伝』によれば、最初の聖堂は336年に教皇マルコによって創建された。その後数度の建て替えを経て、現在に伝わる構造は833年に教皇グレゴリウス4世が再建したものである。身廊がアプスに至る三廊式の平面は、この9世紀の再建に由来する。15世紀後半、枢機卿ピエトロ・バルボ(のちの教皇パウルス2世)のもとで大規模な改修が行われ、二層のロッジアを備えたルネサンス様式のファサードと前廊が加えられた。さらに18世紀半ばには、フィリッポ・バリジョーニらによって内部がバロック様式に改装され、現在の華やかな堂内が整えられた。
建築的特徴
聖堂の最大の見どころは、15世紀のファサードと柱廊である。古代の凱旋門に範をとった重層のアーチと、上部の祝福のロッジアからなるこの正面は、ローマで最初期のルネサンス建築の一つに数えられる。設計は伝統的にレオン・バッティスタ・アルベルティに帰せられてきたが、ジュリアーノ・ダ・マイアーノやフランチェスコ・デル・ボルゴを推す説もあり、確定していない。堂内は、古い三廊式の骨格の上に、パウルス2世による金箔の格天井とバロックの装飾が重なり、各時代の改修が層を成している。
意義・現在
サン・マルコ聖堂は、初期キリスト教以来の長い歴史を一つの建物のうちに堆積させた、ローマの重層的な建築のありようをよく示している。とりわけ15世紀のファサードは、古代の語彙を再生しようとした初期ルネサンスの試みを伝える貴重な作例である。聖堂はユネスコ世界遺産「ローマ歴史地区」の範囲内にあり、現在もヴェネツィアの国民教会として礼拝に用いられている。
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