サンタンドレア聖堂 Basilica of Sant'Andrea
北イタリア、マントヴァに建つ初期ルネサンス建築の傑作。レオン・バッティスタ・アルベルティの設計により1472年に着工し、古代ローマの凱旋門を範とした正面と、古代以来まれな規模の樽ヴォールトの身廊で知られる。
§1 — 概要概要
サンタンドレア聖堂は、北イタリアのマントヴァに建つカトリックの聖堂で、小バシリカおよび共同司教座聖堂の地位をもつ。15世紀の北イタリアにおける初期ルネサンス建築の代表作の一つであり、レオン・バッティスタ・アルベルティが遺した最も完成度の高い作品とされる。
歴史
領主ルドヴィーコ3世ゴンザーガの発注を受け、アルベルティの設計に基づいて1472年に着工した。アルベルティ自身は同年に没し、工事はその後数世紀にわたって続いた。アルベルティの構想に沿う身廊部はおおむね1494年までに整い、1597年には袖廊と地下聖堂が加えられた。堂を覆う巨大なドームは、後期バロックの建築家フィリッポ・ユヴァラの設計により1732年から1782年にかけて築かれ、内部装飾は18世紀後半から19世紀初頭にかけて仕上げられた。
建築的特徴
正面はアンコーナにある古代ローマのトラヤヌス帝の凱旋門を範とする。低い層をなすコリント式の円柱と、より背の高いジャイアント・オーダーのピラスターとを一体に組む構成は当時として斬新で、頂部はペディメントがまとめる。正面と堂内の立面はともに凱旋門のモチーフを反復し、互いに呼応する。身廊を覆うのは古代以来まれな規模の樽ヴォールトで、ローマのマクセンティウスのバシリカに範を仰いだとされる。
意義・現在
古代の建築言語を理論と実作の双方から再構築したアルベルティの達成は、後のルネサンス建築に大きな影響を与えた。本聖堂は世界遺産「マントヴァとサッビオネータ」の構成資産として登録され、聖血の聖遺物を納める巡礼の場として今も信仰を集めており、聖金曜日にはその聖遺物が公開される。