ミュンヘンに立つ高さ18.5メートルの女性ブロンズ像。バイエルンを擬人化した記念碑で、古代以降はじめて全体を砂型鋳造のブロンズで構成した巨像として知られ、背後の栄誉殿とともに古典主義的な一群をなす。
§1 — 概要概要
バヴァリア像(ドイツ語: Bavaria)は、ドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘンに立つ、高さ18.52メートルの女性ブロンズ像である。バイエルンの地とその力・栄光を擬人化した像で、テレージエンヴィーゼを見下ろす高台に据えられ、背後にレオ・フォン・クレンツェ設計の栄誉殿(ルーメスハレ)を従える。古代以降はじめて全体をブロンズで鋳造した巨像として、技術史上の記念碑でもある。
歴史
バイエルン王ルートヴィヒ1世の発意により、コンペを経て彫刻家ルートヴィヒ・シュヴァーンターラーの原型が採用された。鋳造はミュンヘン王立鋳造所が担い、ヨハン・バプティスト・シュティークルマイアが着手、その甥フェルディナント・フォン・ミラーが引き継いで、1844年から1850年にかけて完成させた。巨大さゆえに像は複数の部分に分けて砂型で鋳込まれ、後から接合された。1850年10月9日に除幕されている。背後の栄誉殿はクレンツェの設計で、ギリシア神殿を範とする新古典主義の列柱建築である。
建築的特徴
像は剣と樫の葉冠を手にし、足下に獅子を従えた寓意的な女性像で、衣文や髪は古典彫刻の規範にロマン主義的な情感を加えた造形を示す。中空の像内部には螺旋階段が設けられ、頭部の展望台に至ると、兜の開口部からテレージエンヴィーゼとミュンヘン市街を望むことができる。重量は約87トン、像を支える石造の基壇は高さ約8.9メートルに及ぶ。背後の栄誉殿は左右対称のドーリア式列柱廊で、バイエルンゆかりの著名人の胸像を収める。
意義・現在
バヴァリア像は、19世紀バイエルンが掲げた郷土意識と国家的記念性の象徴であり、その鋳造技術は当時の冶金の到達点を示すものとして高く評価された。今日では毎秋オクトーバーフェストの会場となるテレージエンヴィーゼを見守るミュンヘンの名物であり、内部は一般に公開されている。バイエルン州の文化財に登録されている。