ドイツの首都ベルリンの中央駅。マインハルト・フォン・ゲルカン率いる gmp の設計で2006年に開業した、ガラスと鉄骨による巨大な交差駅である。東西の高架線と南北の地下線を立体的に重ねた、ヨーロッパ有数の鉄道結節点として知られる。
§1 — 概要概要
ベルリン中央駅(Berlin Hauptbahnhof)は、ドイツの首都ベルリンの中心に位置する中央駅である。建築家マインハルト・フォン・ゲルカン率いる設計事務所 gmp(フォン・ゲルカン・マルク・アンド・パートナーズ)の設計により、2006年に開業した。ガラスと鉄骨による透明感のある駅舎で、東西方向の高架線と南北方向の地下線が立体的に交差する、ヨーロッパでも最大級の交差駅である。
歴史
この地には、1871年に開業した歴史的なレーアター駅があった。第二次世界大戦の被害とその後の東西分断によって鉄道網は寸断され、駅は役割を失っていたが、ドイツ再統一を機に、ベルリンの鉄道を南北・東西で結び直す構想が立てられた。1998年に定礎され、東西線の高架と南北線の地下トンネルを一体化する大規模な工事を経て、2006年5月に中央駅として開業した。旧来の行き止まり式ターミナルではなく、通過型の結節点として計画された点に、時代の転換が表れている。
建築的特徴
中心となるのは、東西の高架ホームを覆う、湾曲したガラスの大屋根である。鉄骨を細く軽やかに組んだかまぼこ型のヴォールトがホーム上空を覆い、自然光を奥まで導く。これと直交して、地下深くまで吹き抜けるコンコースが南北方向に貫き、複数の層を見通せる立体的な空間を生み出している。ガラスのカーテンウォールと露出した構造体は、構造や設備を率直に見せるハイテク建築の系譜に連なる。
意義・現在
ベルリン中央駅は、再統一後のドイツが首都の交通網を再編した象徴的な事業であり、分断されていた都市を鉄道で縫い合わせる役割を担った。透明な大屋根と立体交差の構成は、移動そのものを体験として見せる現代の駅のあり方を示している。今日では一日に数十万人が利用する、ドイツ鉄道網の中枢として機能している。