ブルサ大モスク Bursa Grand Mosque
ブルサに建つ初期オスマン朝の金曜モスク。1396–1399年、バヤズィト1世が建立。20のドームを連ねた多柱式の空間で知られ、世界遺産の構成資産。
§1 — 概要概要
ブルサ大モスク(トルコ語でウル・ジャーミィ)は、トルコ北西部の都市ブルサにある初期オスマン朝の金曜モスクである。14世紀末にオスマン朝のスルタン、バヤズィト1世によって建立され、20の円蓋(ドーム)を連ねた壮大な多柱式の祈りの空間で知られる。
歴史
このモスクは、1396年のニコポリスの戦いでの勝利を記念して、スルタン・バヤズィト1世が造営を命じたと伝えられる。建設は1396年に始まり、1399年に完成した。造営にはハジュ・イヴァズ・パシャやアリ・ネッジャールといった人物が関わったとされる。ブルサはオスマン朝最初期の都であり、本モスクはその発展期を象徴する建築として、街の中心に位置し続けてきた。
建築的特徴
内部は12本の太い角柱によって支えられ、その上に4列5行、合わせて20のドームが架けられている。柱が林立する多柱式の空間は、各地のモスクを巡拝することで巡礼に準じる功徳が得られるという伝承とも結びつけられてきた。中央のドームの一つは天窓として開かれ、その真下には清めのための泉であるシャドゥルワンが屋内に置かれるという珍しい構成をとる。壁のミフラーブや、釘を使わずに木片を組み上げたクンデカリ技法による説教壇(ミンバル)は、精緻な工芸の傑作とされる。さらに堂内の壁や柱には巨大な書(カリグラフィー)が数多く掲げられ、「書の博物館」とも称される。外観では2基のミナレットが高くそびえる。
意義・現在
ブルサ大モスクは、アナトリア・セルジューク朝の建築的伝統を受け継ぎつつ、オスマン建築が独自の様式を確立していく過程を示す重要な作例である。2014年には「ブルサとジュマルクズク:オスマン帝国発祥の地」の構成資産としてユネスコ世界遺産に登録された。今日も現役の礼拝施設であるとともに、数多くの書の名品を伝える場として、ブルサを訪れる人々が必ず立ち寄る歴史的記念物となっている。