聖母マリア聖名大聖堂 Cathedral of the Holy Name of Saint Virgin Mary
ベラルーシの首都ミンスクに建つカトリックの大聖堂。18世紀初頭にイエズス会の聖堂として建てられ、ヴィリニュス・バロックの双塔ファサードを特徴とする。
§1 — 概要概要
聖母マリア聖名大聖堂(英 Cathedral of the Holy Name of the Most Holy Virgin Mary)は、ベラルーシの首都ミンスクの中心部に建つローマ・カトリックの大聖堂である。ミンスク=モヒレフ大司教区の司教座聖堂であり、18世紀初頭に成立したバロック聖堂として、同国を代表する歴史的建築のひとつに数えられる。
歴史
聖堂は、ポーランド・リトアニア共和国の統治下にあった1700年から1710年にかけて、ミンスクのイエズス会学院に付属する教会として建てられた。1773年にイエズス会が教皇クレメンス14世によって解散させられたのち、ポーランド分割を経てミンスク主教区が置かれると、当聖堂はその司教座聖堂となった。1797年の火災で大きく損なわれたが復旧され、その後も主教区の改廃に伴って格を変えながら存続した。ソ連時代の1934年には閉鎖され、塔の撤去や内部の改変など大きな改造を受けたが、ソ連崩壊前後に修復が進み、ふたたび大聖堂として復原された。弾圧と荒廃を経て信仰の場へと立ち返ったその歩みは、中東欧の宗教建築がたどった運命を象徴している。
建築的特徴
正面は、二基の鐘塔がファサードの両端に立つ双塔形式をとり、ヴィリニュス・バロックと呼ばれる東方カトリック圏特有の様式に連なる。壁面はピラスターや繰形によって垂直方向に分節され、緩やかな曲面と抑制のきいた装飾が、後期バロックの落ち着いた表情を生んでいる。内部は身廊と側廊からなるバシリカ式の構成をとり、フレスコ画と祭壇の装飾が往時の典礼空間を伝える。
意義・現在
当聖堂は、ベラルーシのカトリック共同体の中心として現在も活発に用いられている。同国の文化財に登録され、ミンスク中心部の歴史的景観を構成する重要な建築として保存されている。長く政教の変転にさらされながら復原された姿は、この地域の信仰と建築の連続性を今に伝えている。