救世主教会(コペンハーゲン) Church of Our Saviour
コペンハーゲンのクリスチャンハウン地区に建つオランダ・バロック様式の教会。1682年にランベルト・ファン・ハーヴェンの設計で着工し、外側に螺旋階段が巻きつく高さ約90メートルの尖塔で広く知られる。
§1 — 概要概要
救世主教会(Vor Frelsers Kirke)は、デンマークの首都コペンハーゲンのクリスチャンハウン地区に建つルター派の教会である。オランダ・バロックの様式をまとい、ギリシア十字の平面をもつ。とりわけ名高いのは、塔の外側に螺旋階段が巻きつく独特の尖塔で、その頂までらせんを描いて登ることができる。高さおよそ90メートルに達するこの尖塔は、コペンハーゲンの空に際立つ景観をかたちづくっている。
歴史
教会はランベルト・ファン・ハーヴェンの設計により、1682年に着工された。本体は1696年4月19日に献堂され、ギリシア十字を基本とするバロックの教会堂として完成した。一方、現在の象徴となっている尖塔は遅れて加えられたもので、建築家ラウリッツ・デ・トゥーラの設計により、1749年に認可、1752年に完成した。外付けの螺旋階段を備えるこの尖塔をめぐっては、階段の巻く向きを設計者が誤認し、それを苦にして投身したという俗説が語り継がれてきた。しかし史実とは異なり、デ・トゥーラは尖塔完成の数年後に病で世を去っている。
建築的特徴
平面はギリシア十字、すなわち四方の腕の長さが等しい十字形をとり、中央性の高い空間を生み出している。外観はオランダ・バロックの落ち着いた煉瓦造で整えられ、内部の柱はジャイアント・オーダーやトスカナ式といった古典の柱式を踏まえている。最大の特徴は、塔頂を反時計回りに巡る外付けの螺旋階段をもつ尖塔である。来訪者はこの階段を伝って塔の外側を登り、頂から市街を見渡すことができる。塔には48個の鐘からなるカリヨンが備えられ、時を告げる音色を響かせている。
意義・現在
救世主教会は、その特異な螺旋の尖塔によって、コペンハーゲンを代表する建築のひとつとして広く知られている。バロックの教会堂建築と、後年に加えられた独創的な塔とが一体となり、市街のスカイラインに忘れがたい姿を刻んでいる。現在も現役の教会として礼拝に用いられるとともに、尖塔は人気の展望地として多くの人々を迎え、塔上からの眺望はこの街を訪れる楽しみのひとつとなっている。