ホーエンツォレルン城 Hohenzollern Castle
ドイツ南西部、ホーエンツォレルン山の頂に建つ城。プロイセン王家の発祥地に、19世紀半ばゴシック・リヴァイヴァル様式で再建された、ロマン主義的な居城建築である。
§1 — 概要概要
ホーエンツォレルン城(Burg Hohenzollern)は、ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州、ヘヒンゲンを見下ろす、海抜855メートルのホーエンツォレルン山の頂に建つ城である。プロイセン王家・ドイツ皇帝家であるホーエンツォレルン家発祥の地に立ち、現在の城は19世紀半ばにゴシック・リヴァイヴァル様式で築かれた三代目にあたる。
歴史
この地には11世紀初頭に最初の城が築かれたが、1423年の包囲戦で完全に破壊された。1454年から築かれた二代目の城は三十年戦争で要塞として用いられたのち荒廃し、18世紀末には廃墟と化した。三代目の城は、プロイセン王太子時代にこの地を訪れて一族の根源に思いを馳せたフリードリヒ・ヴィルヘルム4世の発意により、家門の記念碑として計画された。建築家フリードリヒ・アウグスト・シュテューラーの設計のもと、1846年に着工し、王の没後の1867年に完成した。
建築的特徴
シュテューラーは、イギリスのゴシック・リヴァイヴァルとロワール渓谷の城館を範として、尖塔と胸壁を連ねる絵画的な輪郭を山上に描き出した。一方、城を取り巻く堅固な稜堡と城門は、軍事技師モーリツ・フォン・プリットヴィッツによる近代的な要塞設計に基づく。中世の城郭への憧憬と19世紀の建築・築城技術とが結びついた、歴史主義時代を象徴する造営である。
意義・現在
ホーエンツォレルン城は、実用の要塞というより、王朝の歴史と威信を可視化するために築かれた記念碑的建築である。プロイセン王フリードリヒ大王の遺品やヴィルヘルム2世の王冠など、プロイセン史にまつわる品々を収める。かつては、アメリカ独立戦争で活躍した一族の縁者シュトイベン男爵に宛てた、初代大統領ジョージ・ワシントンの感謝状も展示されていた。歴代の皇帝が定住することはなかったが、今日では年間30万人以上が訪れる観光地として、また一族の所有する城として知られている。