コルシーニ宮殿 Palazzo Corsini
ローマ、トラステヴェレに建つ後期バロックの宮殿。1730年代にフェルディナンド・フーガが改築し、現在は国立古典絵画館(コルシーニ画廊)と科学アカデミーが入る。
§1 — 概要概要
ローマ、テヴェレ川左岸のトラステヴェレ地区に建つ後期バロックの宮殿である。フィレンツェに発するコルシーニ家がイタリア各地に構えた宮殿の一つで、所在地にちなんでコルシーニ・アッラ・ルンガーラ宮殿とも呼ばれる。15世紀のリアーリオ家の別荘を母体とし、18世紀にコルシーニ家が現在の姿へと改築した。通りを挟んだ向かいには、ラファエロらが装飾したファルネジーナ荘が建つ。
歴史
前身のリアーリオ宮には、退位して改宗したスウェーデン女王クリスティーナが1659年から晩年を過ごし、アルカディア・アカデミアの最初の会合の舞台ともなった。1736年、教皇クレメンス12世の甥である枢機卿ネーリ・マリーア・コルシーニが地所を取得し、フェルディナンド・フーガに大規模な改築を委ねた。工事は1730年から1740年にかけて行われ、ナポレオン占領下にはジョゼフ・ボナパルトが居住した。1883年、建物とコルシーニ家の収蔵品はあわせて国家へ売却された。
建築的特徴
ヤニクルムの丘の傾斜を活かした左右非対称の構成をとり、ルンガーラ通りに面した長大なファサードが水平の量塊感をもって街路に対峙する。フーガは均整のとれた窓割りと抑制された装飾、内部の堂々たる大階段によって、誇張に走らないローマ後期バロックの古典性を示した。背後には丘を登る庭園が広がり、現在はローマ・ラ・サピエンツァ大学の植物園の一部となっている。
意義・現在
今日では1階に国立古典絵画館の分館(コルシーニ画廊)が置かれ、コルシーニ家が蒐集したイタリア絵画を中心とする初期ルネサンスから18世紀までのコレクションを、ほぼ往時の配置のまま伝える。あわせてガリレオも名を連ねた由緒ある科学アカデミー、アカデミア・デイ・リンチェイの拠点でもあり、芸術と学術の双方を担う宮殿として今に生きている。バルベリーニ宮などと並び、ローマにおける国立古典絵画館の中核をなす一館である。