テヘラン現代美術館 Tehran Museum of Contemporary Art
テヘラン、ラレ公園の現代美術館。1977年、革命前夜にカムラン・ディバの設計で開館した。ペルシアの伝統的な採風塔を翻案した造形と、地下へ螺旋状に下る展示空間で知られる。
§1 — 概要概要
テヘラン現代美術館(Tehran Museum of Contemporary Art, TMoCA)は、イランの首都テヘランのラレ公園に位置する美術館である。1977年、王妃ファラ・パフラヴィーの主導により開館した。設計はイランの建築家カムラン・ディバ(Kamran Diba)で、ペルシアの伝統建築を現代的に翻案した造形により、20世紀イラン建築の代表作のひとつとされる。
歴史
美術館は1979年のイラン革命のわずか2年前、1977年に開館した。王室の後援のもとで西洋近代美術の一大コレクションが築かれ、ピカソ、ポロック、ウォーホルらの作品を含む、中東有数の近現代美術の収蔵で知られるようになる。革命後、これらの作品の多くは長く収蔵庫に納められたが、近年は再び公開される機会が増えている。設計に際してディバは、建築家ナーデル・アルダラーン(Nader Ardalan)と協働した。
建築的特徴
建物の大部分は地下に納められ、来館者は円形のスロープに沿って螺旋状に下りながら展示室を巡る。これはニューヨークのグッゲンハイム美術館を反転させたような構成である。屋根には、ヤズドやカシャーンなどイラン中央部の砂漠都市に見られる伝統的な採風塔(バードギール)を翻案した採光塔が並び、北からの安定した光を展示室へ導く。外装は打放しコンクリートと石を組み合わせ、土着の建築語彙とブルータリズムの感覚を結びつけている。
意義・現在
テヘラン現代美術館は、近代建築の語彙とペルシアの風土的伝統を接合した試みとして高く評価される。イランの国定文化財に登録され、現在も同国における現代美術の中心的な施設として活動を続けている。