EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ウルリクスダール宮殿
© Prolineserver / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q176860

ストックホルム北郊、エズヴィーケン湖畔に建つスウェーデンの王宮。1638年にヤコブ・デ・ラ・ガルディの別邸として着工し、17世紀末にニコデムス・テッシン(父)が現在の姿へと再設計したバロックの離宮である。

FIG. 02 — Location59.3903° N 18.0169° E
スウェーデン ソルナ自治体
§1 — 概要

概要

ウルリクスダール宮殿(Ulriksdals slott)は、ストックホルムの北約6キロ、ソルナ自治体のエズヴィーケン湖畔に位置するスウェーデンの王宮である。王立国立都市公園の緑地に抱かれ、もとは貴族の別邸として建てられたが、のちに王室の手に渡り、歴代の宮廷生活の舞台となった。木立と水辺に囲まれた閑雅な離宮として知られる。

歴史

建物は1638年、軍人で政治家のヤコブ・デ・ラ・ガルディが田園の隠れ家として着工させ、ドイツ出身の建築家ハンス・ヤコブ・クリストレルの手で1645年に原型が完成した。当初は所有者の名にちなみ「ヤコブスダール」と呼ばれた。1669年に王妃ヘドヴィグ・エレオノーラが買い取り、孫の王子ウルリクにちなんで1684年にウルリクスダールと改名する。王妃は宮廷建築家ニコデムス・テッシン(父)に壮麗な改築を委ね、その設計が今日見る宮殿の骨格を定めた。工事は財政難で一時中断し、18世紀にカール・ハールレマンが再開、スウェーデンで最初期のマンサード屋根のひとつを加えている。

建築的特徴

湖に面して翼屋を広げる三層の構成は、テッシン(父)の図面に由来する。簡素で均衡のとれた立面、急勾配のマンサード屋根、整然と並ぶ窓列が、スウェーデン・バロックの落ち着いた気品を伝える。内部にはアドルフ・フレドリク王の時代に王妃ロヴィーサ・ウルリカが設けた宮廷劇場「コンフィデンセン」が残り、18世紀の舞台機構を今に伝える点でも貴重である。

意義・現在

ウルリクスダールは、貴族の別邸から王室の離宮へと性格を変えながら増改築を重ねた、近世スウェーデン建築の重層性を示す好例である。現在は一般に公開され、宮廷劇場コンフィデンセンでは今日も上演が行われている。王立国立都市公園の自然と一体となった景観は、スウェーデンの宮廷文化と造園の伝統を伝える場となっている。

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LAST EDIT — 2026.06.27
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