EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ヴュルツブルクのレジデンツ
© Wolfram Esser / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q156316
様式 · バロック建築 時代 · バロック・ロココ 類型 · 宮殿・邸宅 ★ ユネスコ世界遺産(1981年登録、「ヴュルツブルク司教館、その庭園群と広場」)

ヴュルツブルクのレジデンツ Würzburg Residence

Würzburger Residenz

ドイツ・ヴュルツブルクの領主司教の宮殿。バルタザール・ノイマンの設計により18世紀に建てられた南ドイツ・バロックの最高傑作で、ティエポロの天井画を戴く階段室で名高い。

FIG. 02 — Location49.7928° N 9.9389° E
ドイツ バイエルン州 ヴュルツブルク
§1 — 概要

概要

ヴュルツブルクのレジデンツ(Würzburger Residenz)は、ドイツ南部の都市ヴュルツブルクに建つ、歴代領主司教の宮殿である。建築家バルタザール・ノイマンの主導により18世紀前半に築かれ、南ドイツ・バロック建築の到達点と評される。庭園と前広場を含めて、ヨーロッパ屈指の宮廷建築に数えられる。

歴史

1719年に司教に選出されたヨハン・フィリップ・フランツ・フォン・シェーンボルンは、それまでの居城マリエンベルク要塞に代わる、ヴェルサイユ宮殿に比肩する宮殿を求めた。1720年に着工し、宮廷建築家ノイマンを中心に、ウィーンのヒルデブラントやパリのロベール・ド・コットら各地の建築家が構想に関与した。建物本体は1744年に完成し、内部の装飾はその後も続けられた。第二次大戦の空襲で甚大な被害を受けたが、1945年以降の修復によって往時の輝きを取り戻している。

建築的特徴

最大の見どころは、柱を一本も用いずに広大な空間を覆う階段室(階段の間)である。この大胆なヴォールト天井には、ヴェネツィアの画家ティエポロが世界最大級の一枚フレスコ画を描いた。アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパの四大陸を寓意化したその画題は、ヴュルツブルクの宮廷をいわば世界の中心として讃える壮大な構想であった。崩落を危ぶむ声に対し、砲術にも通じたノイマンは構造の堅牢さを断言し、事実この天井は戦災の業火にも耐え抜いた。階段を上る者の眼前に天井画が劇的に開けてゆく演出は、バロック空間の精華である。

意義・現在

レジデンツは、ノイマンの構造的手腕とティエポロの絵画、バロックからロココへと至る室内装飾が一体となった総合芸術として、絶対主義期の宮廷文化を今に伝える。階段室のほか、やはりティエポロが天井を飾った帝国の間(カイザーザール)や、ノイマンの設計になる宮廷教会も、バロック・ロココ装飾の傑作として名高い。ナポレオンはこれを「ヨーロッパ最大の司祭館」と評したと言われる。その傑出した芸術的価値により、1981年にユネスコ世界遺産に登録された。

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LAST EDIT — 2026.06.28
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