ウェストミンスター大聖堂 Westminster Cathedral
ロンドンにあるイングランド・ウェールズ最大のカトリック教会。ジョン・フランシス・ベントリーの設計で1903年に完成した、煉瓦造のネオ・ビザンティン様式を代表する建築である。
§1 — 概要概要
ウェストミンスター大聖堂(Westminster Cathedral)は、ロンドンのウェストミンスターに建つカトリック教会である。ウェストミンスター大司教区の司教座聖堂であり、イングランドおよびウェールズで最大のカトリック教会として知られる。
歴史
イングランドでカトリックの教会組織が復興した19世紀後半、初代大司教ワイズマン枢機卿を記念する大聖堂が構想された。用地は1884年に取得されたが計画は二度頓挫し、第三代大司教ヴォーン枢機卿のもとで1895年にようやく着工した。設計者ジョン・フランシス・ベントリーは、東方のバシリカや初期キリスト教建築を範とする九世紀風のネオ・ビザンティン様式を選んだ。聖堂は1903年に建物の躯体が完成したが、ベントリーは前年に世を去り、その完成を見ることはなかった。教会法の規定により、献堂式は負債を清算した1910年まで待たねばならなかった。
建築的特徴
構造は鉄やコンクリートの補強に頼らず、ほぼ全体が縞模様をなす煉瓦と石で組まれている。高さおよそ87メートルのカンパニーレ(鐘塔)が外観を引き締め、内部はドームを連ねた、イングランドの教会で随一の広さをもつ身廊が広がる。壁面は黄金地のモザイクと多彩な大理石で飾られるが、予算の不足からその装飾は当初の計画どおりには進まなかった。彫刻家エリック・ギルによる『十字架の道行き』の浮彫など、内装は二十世紀を通じて少しずつ加えられ、今日に至るまで未完成のままである。
意義・現在
鋼材もコンクリートも用いず、煉瓦と石の職人技で壮大な空間を実現した点で、ヴィクトリア朝末期の建築の到達点の一つに数えられる。二十世紀には複数のローマ教皇の訪問も受けた。第一級指定建造物として保護され、現在もロンドンのカトリック信仰の中心であり続けている。