ノルマン様式建築
ノルマン様式建築(Norman architecture)は、11世紀から12世紀にかけて、ノルマン人が各地で築いた建築をさす。ロマネスク建築の一系統であり、厚い壁と半円アーチを基本としながら、堅固で力強い量塊によって空間を構成する点に特徴がある。
ノルマンディーに始まり、ノルマン人の征服とともにイングランドや南イタリア、シチリアへと広がった。とりわけシチリアでは、先住のビザンティンやイスラムの伝統と溶け合い、独特の華やかな様式を生んだ。形態としては、半円アーチ、太い円柱や角柱、厚い壁、二つの塔をもつ正面などを用い、装飾は概して控えめである。城や大聖堂など、防御をも兼ねた建築に適した、重厚な構えであった。
本データベースでは、シチリアのカターニアのドゥオーモがその例である。後世にバロックで再建されたが、黒い溶岩石でできた三つの後陣に、ノルマン時代の姿を今に残している。ロマネスク建築の一翼を担うこの様式は、やがて尖頭アーチのゴシック建築へと展開していく。地域ごとに在地の伝統と結びついた点に、その豊かさがある。