サンクトペテルブルクのネヴァ川畔に建つ大宮殿。1762年から1917年まで歴代ロシア…
建築家 / Architect
バルトロメオ・ラストレッリ(Francesco Bartolomeo Rastrelli、1700–1771年)は、18世紀のロシアで活躍したイタリア人建築家である。1700年、彫刻家の父カルロ・バルトロメオ・ラストレッリのもとパリに生まれ、1716年に父とともに新首都サンクトペテルブルクへ移った。父の工房で修業を積み、1721年ごろから建築家として独立する。
女帝アンナ・イヴァノヴナとエリザヴェータの治世に重用され、宮廷主任建築家として数多くの宮殿・聖堂を手がけた。その作風は「後期バロック(ロシア・バロック)」と呼ばれ、イタリア・バロックの豪壮さに、ロココの軽やかさとロシア伝統の色彩を融合させた点に特徴がある。鮮やかな彩色、金箔、彫塑的な装飾に覆われたファサードは、皇帝権力の壮麗さを体現するものだった。
代表作に、サンクトペテルブルクの冬宮(現エルミタージュ美術館本館)、ツァールスコエ・セローのエカテリーナ宮殿、スモーリヌィ修道院、ペテルゴフ宮殿の改築などがある。クールラント公エルンスト・ヨハン・ビロンのためには、ラトビアにルンダーレ宮殿とイェルガヴァ宮殿という二つの宮殿を設計した。
しかし、新古典主義を好んだ女帝エカチェリーナ2世が即位するとバロックは時代遅れとされ、ラストレッリは1763年ごろに宮廷の職を退いた。失意のうちにクールラントへ移り、かつて手がけた公の宮殿の仕上げに携わる。没年の1771年には、ロシア帝国芸術アカデミーの名誉会員に選ばれている。華麗を極めたロシア・バロックは、彼の引退とともに一つの時代を終えた。
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