キャピトール・ド・トゥールーズ Capitole de Toulouse
フランス南部トゥールーズの市庁舎。12世紀以来、市政を担ったカピトゥールの座所に由来する。ピンク色の煉瓦と石による18世紀の古典主義の長大な正面で知られ、ギヨーム・カマスが設計した。
§1 — 概要概要
キャピトール・ド・トゥールーズ(Capitole de Toulouse)は、フランス南部の都市トゥールーズの市庁舎である。中世以来、市政を担った参事会員カピトゥールの座所に由来し、その名は古代ローマのカピトリヌスにちなんで16世紀に付けられた。ピンク色の煉瓦と白い石による長大な正面は、18世紀に建築家ギヨーム・カマスが手がけたもので、「バラ色の街」トゥールーズを象徴する景観として親しまれている。
歴史
1190年、富み栄えるトゥールーズの市政を担うカピトゥールが、その座所として最初の建物を設けた。以後、必要に応じて諸施設が継ぎ足され、雑多な建物の集まりとなっていった。16世紀には、文書と火薬を守る塔ドンジョンが築かれ、ルネサンス様式の門も加えられた。18世紀半ば、カピトゥールはこの雑然とした正面を一新することを決め、1750年から1760年にかけて、画家・建築家のギヨーム・カマスが古典主義の壮麗な正面を築いた。19世紀には背後の建物が整理され、オペラを擁する劇場や、トゥールーズの偉人をたたえる「イリュストルの間」が設けられた。
建築的特徴
正面は120メートルを超える長さをもち、トゥールーズ特有のピンク色の煉瓦と白い石を組み合わせた、温かみのある二色の壁面をなす。中央部はわずかに前へ張り出し、八本のコリント式の円柱が立ち並んで、その上にエンタブラチュアとペディメントを支える。左右に延びる翼部も、同じくコリント式のピラスターで律せられる。中央の八本の円柱は、かつて市を治めた八人のカピトゥールを表すという。背後には、16世紀のドンジョンや、ルネサンスの中庭クール・アンリ4世が今も残る。
意義・現在
キャピトールは、中世のカピトゥールの座所から、18世紀の古典主義の正面、さらに19世紀の劇場や広間へと、トゥールーズの市政と文化の歩みを一身に映す建物である。市庁舎であると同時に、キャピトール劇場やオーケストラを擁する文化の拠点でもあり、政治と芸術とが一つ屋根の下に同居する点に特色がある。1840年にフランスの歴史的記念物に指定され、今もカピトール広場に面して、街の中心であり続けている。