シャルトル大聖堂 Chartres Cathedral
フランス、ボース平野に立つ高ゴシックの大聖堂。1194年の火災後わずか四半世紀で再建され、ゴシックの規範となった。創建期の西正面と、ほぼ完存する13世紀のステンドグラスで名高い。
§1 — 概要概要
シャルトル大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Chartres)は、パリ南西、ボース平野の町シャルトルに立つカトリックの大聖堂である。1194年の火災ののち、わずか四半世紀ほどで再建され、フランス高ゴシックの完成形とされる。創建期の西正面と「王の扉口」、そしてほぼ当初のまま残る13世紀のステンドグラスによって、ゴシック建築・美術の比類ない到達点として知られる。
歴史
この地には古くから聖母信仰の聖堂が続き、現在の建物は数度の火災を経て築かれた。1145年ごろには、ロマネスク末期からゴシック初期にかかる西正面と「王の扉口」が造られている。1194年の大火で本体の大半が焼け落ちると、聖母の聖遺物が無事だったことが再建の機運を高め、各地から寄進が集まって直ちに工事が始まった。本体は1220年ごろまでに完成し、1260年に献堂された。短期に一気に建てられたため、様式的な統一感がきわめて高い。
建築的特徴
高い身廊を尖頭アーチとリブ・ヴォールトで架け、外から飛梁(フライング・バットレス)で支えることで、壁を薄く高く開いている。これにより生まれた広大な窓に、ステンドグラスがはめ込まれた。「シャルトル・ブルー」と呼ばれる深い青を基調とする約170枚の窓は、聖書の物語と聖人を色光で語る。南北の翼廊にうがたれた二つの大きなバラ窓、左右で様式の異なる二本の尖塔も、この大聖堂の見どころである。
意義・現在
シャルトルは、構造・採光・彫刻・ステンドグラスがひとつの全体として残る稀有な大聖堂であり、高ゴシックの基準点として後続の大聖堂に影響を与えた。1979年に世界遺産に登録されている。中世のステンドグラスがこれほどまとまって現存する例は少なく、今日も創建期の色光が堂内を満たしている。