シュヴェリーン城 Schwerin Castle
シュヴェリーン湖の島に立つ城。歴史主義建築の代表作で、1845年から1857年にかけてデムラーらが改築した。フランス・ルネサンスの城館を範とし、「北のノイシュヴァンシュタイン」とも呼ばれる。2024年に世界遺産となった。
§1 — 概要概要
シュヴェリーン城(Schweriner Schloss)は、メクレンブルク=フォアポンメルン州の州都シュヴェリーンの湖に浮かぶ島に立つ城館である。長くメクレンブルクの公・大公の居城であり、現在は州議会の議事堂や城博物館などに用いられている。
歴史
この地には、スラヴ系オボトリート族が973年に築いたと伝わる砦に始まる長い歴史があり、16世紀には公ヨハン・アルブレヒト1世のもとで、防御施設からテラコッタ装飾をまとう宮殿へと姿を変えた(装飾用のテラコッタはリューベックから運ばれた)。城内の礼拝堂は、この地方で最初期のプロテスタント教会の一つに数えられる。現在見られる城の主要部は、1845年から1857年にかけての大改築による。ゲオルク・アドルフ・デムラーが1845年から設計を主導し、1851年からはフリードリヒ・アウグスト・シュテューラーが引き継いで1857年に完成させた。競技設計にはゴットフリート・ゼンパーやツヴィルナーも案を寄せた。
建築的特徴
塔と切妻屋根が林立する複雑な輪郭は、フランス・ロワール地方のルネサンス城館、とりわけシャンボール城に範を求めたものである。過去の様式を選び取って組み立てる19世紀の歴史主義を体現し、その豊かな造形から「北のノイシュヴァンシュタイン」とも称される。中央にそびえる円蓋の塔が群立する尖塔の頂をなし、煉瓦の躯体を石材やテラコッタで化粧する19世紀らしい構法をとる。湖に浮かぶ島という立地と、城を取り巻く庭園とが一体の景観をなしている。
意義・現在
ヨーロッパにおけるロマン主義的な歴史主義の、最も重要な作例の一つに数えられる。2024年、城を含むシュヴェリーンのレジデンツ群はユネスコの世界遺産に登録された。ドイツ統一後の1990年以降は州議会の議事堂が置かれ、州政治の場であると同時に、観光と文化の拠点ともなっている。