バシリカ
ビザンティン建築(Byzantine architecture)は、東ローマ(ビザンティン)帝国のもとで、首都コンスタンティノープルを中心に展開した建築様式である。ローマ建築を母体としながら、4世紀以降、キリスト教東方世界の信仰と帝国の権威を体現する独自の様式へと育っていった。
最大の特色は、ドームの扱いにある。四隅のペンデンティヴ(穹隅)を介して、正方形の平面の上に円形のドームを架ける技法が洗練され、集中式やギリシア十字形の平面と結びついて、垂直に立ち上がる神秘的な内部空間を生んだ。外観は煉瓦積みの簡素なものが多い一方、内部は色大理石の列柱と金地のモザイクで覆われ、光に満ちた天上的な空間がめざされた。
6世紀、ユスティニアヌス1世の時代が最初の黄金期であり、その頂点がコンスタンティノープルのアヤソフィアである。ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂も、この時期を代表する名作に数えられる。中期以降は、正方形の身廊に複数のドームをいただくクロス・イン・スクエア(内接十字形)の教会堂が標準となり、ホシオス・ルカス修道院などにその洗練を見ることができる。
ビザンティン建築は、ギリシア正教の広がりとともにバルカン半島やロシアへ波及し、ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂にも影響を残した。さらに1453年に帝国が滅びたのちは、アヤソフィアを範とするオスマン帝国のモスク建築へと、その空間の理想が受け継がれていった。