EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ネオ・ビザンティン建築

Byzantine Revival architecture
年代
1840 — 1950
地域
ヨーロッパ・北米
時代
新古典・歴史主義

ネオ・ビザンティン建築(ビザンティン・リヴァイヴァル)は、19世紀から20世紀前半にかけて、中世東方のビザンティン建築を範として復興された様式である。歴史主義の一翼を担い、とりわけ東方正教会やカトリックの聖堂において、初期キリスト教・東方教会の伝統を現代に呼び起こす様式として用いられた。

地理的には、ロシア帝国、イギリス、バルカン諸国、のちに北米へと広がった。なかでもロシアでは、コンスタンチン・トーンらによって国民的な「ロシア・ビザンティン様式」として体系化され、帝政期の国家と正教会の結びつきを象徴する公式の様式となった。イギリスでは、ジョン・フランシス・ベントレーが設計したウェストミンスター大聖堂(ロンドン)が、煉瓦による縞模様の壁体と連なるドームをもつ代表作として知られる。

形態的には、ペンデンティヴに支えられた大きな中央ドームを核とする集中式の平面、ゴシックの尖頭アーチに対する半円アーチ、煉瓦や色石による多彩な壁面、そして金地のモザイクによる荘厳な内部空間を特徴とする。直接の手本とされたのは6世紀のハギア・ソフィアであり、その大ドームと光に満ちた空間が繰り返し参照された。ロシアの作例では、これに玉ねぎ型ドームや兜型のドーム群が組み合わされ、土着の聖堂建築の語彙と融合している。

こうした様式は、同時代の新古典主義やゴシック・リヴァイヴァルと並ぶ、「様式を選ぶ」歴史主義の選択肢の一つであった。中世のビザンティンを源としながら、20世紀に入っても正教圏の記念聖堂に用いられ続け、エカテリンブルクの血の上の教会のように、伝統との連続性を主張する現代の聖堂建築にもその語彙は受け継がれている。

ネオ・ビザンティン建築
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage