EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
エスタジオ・ゴヴェルナドール・プラーシド・カステロ
© Fábio Lima / Portal da Copa / CC BY 3.0 br
FIG. 01 — Q958185

エスタジオ・ゴヴェルナドール・プラーシド・カステロ Castelão

Estádio Governador Plácido Castelo

ブラジル北東部フォルタレザのサッカー競技場で、通称カステロン。1969年にリベラル・デ・カストロら5人の建築家が共同設計して1973年に開場した。2014年W杯に向け、ヴィリエッカの設計で既存スタンドの多くを残したまま全面改修された。

FIG. 02 — Location3.8073° S 38.5225° W
ブラジル セアラー州 フォルタレザ
§1 — 概要

概要

エスタジオ・ゴヴェルナドール・プラーシド・カステロは、ブラジル北東部セアラー州の州都フォルタレザにあるサッカー競技場である。通称カステロン(Castelão、ポルトガル語で「大きな城」)。州が所有し、セアラーSCとフォルタレーザECが本拠地とする。当初の設計は、1960年代のフォルタレザで近代建築を根づかせた建築家5人の協働によるもので、2012年には2014年FIFAワールドカップに向けた全面改修を経て「アレーナ・カステロン」となった。ブラジル北部・北東部で最大の競技場である。

歴史

建設を推し進めたのは1966年から71年まで州知事を務めたプラーシド・アデラルド・カステロで、正式名称は彼にちなむ。1968年に事業を統括する州の機関が設けられた。用地は当初、市西部のアラガジッソ地区が候補とされたが、収用費がかさむため断念され、最終的に慈善病院サンタ・カーザ・デ・ミゼリコルディアが所有していた約25ヘクタールの土地が買い取られた。

設計は1969年、ジョゼ・リベラル・デ・カストロ、ゲルハルト・ボルマン、レジナルド・ランジェル、マルシリオ・ジアス・デ・ルーナ、イヴァン・ブリットの5人が共同で行い、構造はウーゴ・アルカンタラ・モタが担当した。いずれも1960年代のフォルタレザで近代建築の普及を担った世代に属する。工事は同年に始まり、1973年11月11日、セアラーSCとフォルタレーザECの一戦(0対0)で開場した。ただし開場時点ではスタンドの一部が未完成で、残りが仕上げられたのは、教皇ヨハネ・パウロ2世を迎えた1980年の聖体大会に合わせた工事による。このとき競技場には約12万人が集まったとされる。

2001年から2002年にかけて、躯体の補強や電気・給排水設備の更新を含む三段階の改修が行われた。続いて2014年ワールドカップの開催地に選ばれると、競技場は2011年3月に閉鎖されて本格的な再整備に入った。工事は2012年12月に完了し、ワールドカップの12会場のうち最初に完成した競技場となった。

建築的特徴

1969年の当初案は、同一形状の門型架構(ラーメン構造)60基を楕円状に連ねる明快な構成をとった。ひとつの単位を反復して巨大なスタンドを組み上げるこの方式が、全体の造形に一貫性を与えている。当初は屋根をもたず、外周に設けた大きなスロープが観客を上層へ導いた。

2012年の改修は、ウルグアイ出身のエクトル・ヴィリエッカが率いる設計事務所ヴィリエッカ&アソシアドスが手がけた。既存の競技場を取り壊して建て替えるのではなく、上層スタンドの約7割を残し、全体の約5分の1だけを爆破解体した。そこに貴賓席、報道関係諸室、更衣室、管制室など高度な設備を要する機能をまとめた新しい棟を挿入している。この爆破解体はその精度を評価され、解体工事の国際的な賞を受けた。ピッチを掘り下げて下層スタンドを約30メートル前進させ、観客席と競技者の距離を約10メートルまで縮めたことで、競技場は観客が試合に近い「アレーナ」へと性格を変えた。新設の屋根はすべての観客席を覆い、熱帯の日差しを遮りながら通風を確保する。周囲の平面駐車場は約4,200台の地下駐車場に置き換えられ、地上には約7万9千平方メートルの広場が生まれた。

意義・現在

カステロンは、1960年代のセアラーで育った近代建築の担い手たちが、州の威信をかけた大規模施設に共同で取り組んだ作品である。同時にその再生は、既存の躯体の大半を生かしながら現代の基準に適合させた改修の事例でもあり、改修後は南米の競技場として初めてLEEDの環境認証を取得した。2013年のFIFAコンフェデレーションズカップで3試合、2014年ワールドカップでは準々決勝のブラジル対コロンビア戦を含む6試合を開催し、2027年のFIFA女子ワールドカップでも会場の一つに予定されている。開場から3年後の1976年には、周辺地区の名もボア・ヴィスタからボア・ヴィスタ=カステロンへ改められた。

関連する建築

Related
同じ様式
モダニズム建築 カンプ・ノウ
1957 · バルセロナ
カンプ・ノウ
Francesc Mitjans i Miró

バルセロナに立つ、FCバルセロナの本拠地スタジアム。1957年開場。「新しい競技場…

データ: Wikidata (Q958185) / 解説: Wikipedia 日本語版 · English / 画像: © Fábio Lima / Portal da Copa / CC BY 3.0 br — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.10.21
ENTRY ID — BLD-1221