ドレスデンの中心に建つ、ザクセン選帝侯・王の居城。「レジデンツ城」とも呼ばれる。13世紀の城砦に始まり、16世紀のルネサンス改築、バロック期の増築を経て、現在はザクセン州立美術館群の中核をなす。
§1 — 概要概要
ドレスデン城(Residenzschloss Dresden)は、ドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンの旧市街に建つ宮殿である。「レジデンツ城」とも呼ばれ、数百年にわたってザクセン選帝侯およびザクセン王の居城であり続けた。ドイツでも最古級の城のひとつであり、ルネサンス、バロック、歴史主義と、時代ごとの様式が重層的に積み重なった建築として知られる。
歴史
城の起源は1200年ごろの城砦にさかのぼる。1548年から1556年にかけて、選帝侯モーリッツのもとでルネサンス様式の宮殿へと大改築され、中庭の壁面はトーラ兄弟によるスグラフィットで飾られた。17世紀にはヴォルフ・カスパル・フォン・クレンゲルが「ハウスマン塔」を整え、強王アウグストの時代にはバロック様式の増築が進んだ。1889年から1901年にかけては、選帝侯の居城にふさわしい威容を求めて、ファサードがネオ・ルネサンス様式へと改められた。
焼失と再建
1945年2月のドレスデン爆撃により、城は外殻を残してほぼ全焼した。長く廃墟のまま放置されたが、1985年から本格的な再建が始まり、東西ドイツ統一後も作業は受け継がれた。歴史的な意匠を丹念に復元しつつ、内部には現代的な博物館機能が組み込まれ、再建は数十年をかけて段階的に進められた。
現在
再建されたドレスデン城は、今日ではザクセン州立美術館群(SKD)の中核施設となっている。歴代選帝侯の財宝を収める「緑の丸天井(グリューネス・ゲヴェルベ)」をはじめ、版画素描館や貨幣陳列室など複数の美術館が城内に集い、ザクセンの宮廷文化を伝える一大文化拠点として多くの来訪者を迎えている。